NOVEL(middle2) | ナノ





9

また、連絡すると言ったっきり、僕は室井先輩に連絡はしなかった。

僕が連絡しないから不安になったのか、着信履歴にはずらりと先輩の名前が並ぶ。多分、自宅にも来ていたと思うけれど、門の前で追い払われたと思う。僕はあれから通学するのにお手伝いさんの車を使っていたから登下校中にも会うことはなかった。
ただ何も言わないのに流石に可哀想だと感じ始めたのはそれから数ヶ月後。先輩からの連絡も来なくなりつつある日の事。僕は受験に専念します、一方的で申し訳ないですが、別れて下さいと一言メッセージを送った。

室井先輩から、返事は来なかった。

***

僕は受験に合格し、私立の男子高校へと進学した。
異性の居ない閉鎖的空間とも言える其処で僕は自分の容姿を利用した。有り余る性欲の捌け口に丁度良かった。寮で何が行われているか、教師達も薄々は気付いているだろうけど、大きな問題にならなければと皆、口を閉ざす者ばかりだった。
このまま三年間、こうして快楽の波に浸っていながら、過ごすものだと思っていた。

一年生の、残暑を迎え始めた時期の事。少し肌寒さを覚えるその夜に、とある先輩から呼び出された。顔の作りも良くて、生徒達に人気のある先輩だった。先輩に抱かれるのはこれで5回目。あれ?6回目かな。まあそれくらいの数だけど、僕から言えるのは、セックスが上手いことだ。割り切った関係とは言え、セックスの上手い人とシていた方がずっと気持ちいい。先輩も僕とスるのは満更でも無さそうだったから、僕は迷わず先輩の元へ行ったんだ。

ただ、その場に居るのは僕だけじゃなかった。部屋の端で両手首、両足を縛られた生徒がもう一人居たんだ。口元もタオルで縛られて、静かに泣いている。流石に可哀想だと思った僕は、彼に近付いた。

「おい、ソイツを逃したらお前もどうなるか分からんぞ」

僕は物凄い力で腕を引っ張られ、ベッドに押し倒された。先輩の陰茎は布越しでも分かるくらい主張している。

「せ、先輩っ、ヤるのはいいんですが、か、彼は、なんで、、、っ!」
「お前は詮索せず、俺の下で喘いどけ。なあ、徹(とおる)。お前は、しっかり見ておけよ」

彼は涙を流しながら首を横に振って俯いた。
先輩は視線こそ、彼に向けながらも僕の衣服を剥いでいく。

「おい、徹。次はお前の番だからしっかり勉強しとかねえと辛えのはお前だ。目をカッ開いて見とけ」

あれ、これ僕、完全に当て馬的な位置にいるんじゃない?どうにも先輩は、縛られている彼の事が好きだと表情に出ている。僕と会う前に何があったのか分からないけれど。
二人のやり取りを見て、少し気持ち的に萎えるのを感じつつも、彼はしっかり僕を立派な陰茎で貫いた。準備はしてあったものの、先輩のイチモツは大きい。長くて太いそれに、気を抜けば意識を持っていかれそうだ。

「ひっ、あっ、せ、せんぱ、ぃっ、はぁ、ぁっ」
「本当にお前は気持ち良さそうな顔をするよなあ。徹もこんな顔になるかと思うとゾクゾクするわ」

それは僕だからだと思うけれども。
縛られている彼は如何にも初心者ですって顔してるし、先輩のイチモツは辛いんじゃないかなあ。

考え事をしているうちに更に奥に入ってきた先輩の陰茎に頭が真っ白になった。ベッドの上で僕の体は跳ね、射精した。


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