NOVEL(middle2) | ナノ





10

「あああ"っ、ああっ!アッ!や、やだあっ、もうやめっ、いたいっ、痛いっ!!」
「あぁ、気持ちいいぜ、狭くて、クソいいわ。徹、毎日してやるから、なっ」

どうやら、僕は行為中に意識を無くしていた様で、悲鳴にも似た叫び声に驚いて起きた。僕の横で、先輩と縛られていた彼がセックスをしている。真っ白だったシーツが所々、赤く滲んでいた。泣きじゃくる彼を押し倒して無理に突っ込んでいるせいで、孔が裂けてるんだろう。あーあ、可哀想に。好きなら、せめて慣らしてあげないと。
最中に起きてもろくな事がないと、狸寝入りを決め込んで寝返りを打つ。泣きじゃくっていた彼が抵抗を諦め始めた頃には、睡魔が襲ってきて僕は再び眠りに落ちた。

***

「秋、良い子だね。ほら、美味しそうに僕のおちんちんを咥えてるよ」

バチュンバチュンと、肉と肉がぶつかる音が響く。

「はあ、藤田さん、好き、ん、あっ!」
「厭らしい音を一杯たてて、離してくれないんだねえ。秋の我慢汁も沢山出てる」

ギシギシと一定のリズムでベッドを揺らして、藤田さんが僕を乱暴に抱いていた。夢だと、分かっている。
藤田さんは僕の知っている笑顔を向けて気持ち良さそうに腰を振っている。それが嬉しくて、もっと、激しくして欲しくて、首に手を回し、腰に足を絡めた。藤田さんのおちんちんは長くて太くて、気持ちいい。更に奥へと入ってきて、一層高い声が僕の口から漏れる。グリグリと押し付けられるのが堪らなく気持ちいい。

「あっ、そんな奥まで入ったら、出しちゃうよ?君がねだったせいで、今、生ちんぽを突っ込んでるんだからね、はぁっ」
「あぁっ、うん、あっ!あぁ!きもちいのっ、ねえ、もっと、もっと奥にちょうだい!僕の奥に熱いせーえき出してっ、藤田さん愛してるっ!!だから、お願い、僕の中に!中にっ!!」

***

「ぁ、はぁ、朝・・・」

起きて早々、呼吸が荒い自分に溜息をつきたくなる。
何回も繰り返し見てきた藤田さんの夢。最初の頃は、襲われた時を忠実に再現していたと思う。藤田さんに会いたい。日に日に積もる気持ちはいつの間にか願望となって夢に表れ、過激になっていった。
辺りを見渡してみれば、其処は自分の部屋じゃない。そういえば、先輩に呼ばれてセックスして放置された末、寝落ちしたんだ。しかもベッドの真ん中で寝ていたから、独占状態。床には先輩に抱き込まれて強姦された彼がすやすや寝ている。なんだ、結局うまくいったのかもしれないのか、この二人。

「そろそろ退散したほうがいいよなあ」

と、呟いたところで自分の姿を見て、顔を顰めた。
そうだ、気絶した様に寝てたから、体中に体液とか色んなものが付着したままだった。シャワーだけ借りて帰ろう。シャワーの音で起きても知らんぷりして、帰ってやる。

結果、シャワーの音でも仲良くぐっすり寝ていた。
もう暫く起きる事はないだろうし、先輩は僕一人が居なくなったって、気にするような人でもない。
夢のせいか、少しだけ抱き締められて寝ている彼が羨ましかった。仲良く寝ている二人を一瞥し、僕は部屋を後にした。
ひんやりしているリノリウムの床は、とても気持ち良かった。


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