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次の日の朝のことだった。
朝食をオルガと取っていると、当然のように沢山の梟が生徒に荷物を落として行った。フクロウ便の時間なのだ。

レディーも梟の荷物を受け取ったわけだが、その贈り主に思わず眉を寄せた。ルーファスからかと思ったのだがそうではない。
そんな顔をしかめるレディーに、オルガまで同じような顔になって尋ねた。



「どうしたのレディー?」

「これ」

「誰から?」

「双子」

「フレッドとジョージ?」



頷くレディーは手紙をヒラヒラとオルガに見せた。あの二人は五年生の時に学校を自主退学している。今は自営の店を構えかなり繁盛しているようだ。確か店の名前はW.W.W


「これも?」


オルガが一緒に送られてきたであろう箱を手渡してきた。あまり大きくはない、手のひらサイズの箱だ。


「当ててみてオルガ」


箱を掲げ笑うと、オルガは顎に手を当てて考え始めた。あまり大きくないし、あの二人からだから…とブツブツ言っている。


「んー、惚れ薬かな!」

「勘弁してよ」


オルガは笑っているが全くもって笑えない。思わず笑顔がパッと消え眉間にシワを寄せた。
オルガはランドールに惚れ薬を盛られたことをもう時効だと思っているようだが、私は未だに根を持っている。
なぜって、あいつにファーストキスを奪われたからだ。ドラコからはあれはカウントに入らないとフォローしてもらったがキスはキスだ。

あ、ダメだ。またドラコのことを思い出してしまった。と、レディーの顔はどんどん暗くなる。
そんなレディーの思いなど知らず、オルガは箱を開けてと催促してきた。



「さて、箱の中身はなんでしょう!チャラー!」


箱を開けた瞬間呼吸が止まった。オルガはその箱の中身を覗いて「惚れ薬じゃなかったか」と笑っている。


「綺麗!あの二人こういうの選べるんだ!」

「これは…」


中身はブレスレットだった。金色をしたもの。
それを机に置いて、一緒に入っていた手紙を確認する。



久しぶりだねレディー!!

去年アンブリッジを一緒に痛い目に合わせただろ?あれはレディー抜きじゃできなかったと思うんだ!
今考えてみればその時のお礼をしてなかったじゃないか!だからお礼として、そのブレスレットを受け取ってくれないか?

そのブレスレットはただのブレスレットじゃないんだぜ!なんと、魔法を無効にしてくれるんだ!!詳しくは説明書を読んでくれ。

レディーの身が一度でも多く守られますように。
フレッド&ジョージより



「説明書ってこれ?」


オルガに渡された紙には『ブレスレットの使用法』と書かれている。レディーは貸して、と言って説明書に目を通した。




この度は魔法返しブレスレットをお買い上げ誠にありがとうございます。使用法をしっかりと理解の上使用下さい。

 ‐当商品の使用法‐

・当商品は魔法を一度だけ無効にする商品です。
・許されざる呪文には効果がありません。
・20%の割合で効果を出さない時があります。

以上の点を踏まえ使用下さい。

     w.w.w






「だって」


説明内容を口にするとオルガは嬉しそうな顔をしてブレスレットをレディーの手につけていた。



「いいじゃない!護身用に身につけてなよ」



ブレスレットをまじまじと見たレディーは苦笑いをしながら、デザインもいいしね、と返事をして頷いた。


---


今夜もまた同じ夢を見る。

高い背
右手には杖
場所は保健室

自分の腕にはブレスレット


そう、フレッドとジョージに貰ったあのブレスレットだった。






(とりあえず付けておこう)

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