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アンブリッジたちに捕まえられたレディーと、ダンブルドア軍団のハリーを始めとする中心人物は校長室に連れてこられていた。


ダンブルドアは何事かと目を見開いている。

ファッジもきていたが、レディーは動じることなく凛として立っていた。ハリーは口を開いたチョウを睨んだ。

チョウは何故言った?拷問でもされたか?それとも服従の呪文でも…?
アンブリッジならやりかねない。


そんなアンブリッジは子供が大人に秘密をチクる時のように興奮しながらファッジに言った。



「ずっと見張っていたのです。ご覧下さい、ダンブルドア軍団。私が申し上げていたことの動かぬ証拠ですコーネリウス」



アンブリッジはファッジにダンブルドア軍団の著名の書かれた紙をわたした。



「例のあの人に託けて恐怖を煽っても騙されませんわ、うそで煙幕を張ってその影で魔法省を我が物にせんと策を巡らせていたのです!」



アンブリッジは興奮して息を切らせた。
運動不足よ、と思い呆れてしまう。

ダンブルドアは頷きながら言った。



「そのとおりじゃ」



レディーとハリーは飛び掛かるように反抗した。



「違うわ!私が提案したの!」
「先生!!違います僕です!」



「レディー、ハリー。わしを庇おうとせんでもいい。紙にはハッキリと『ダンブルドア軍団』と書かれておる、わしが命令したのじゃ」



ダンブルドアが言い終えると、ファッジはダンブルドアを睨みながら言った。



「日刊預言者新聞へ梟を送れ、ダンブルドアは追放だ……アズカバンに」



アンブリッジは甲高い声を出してレディーを指差した。



「この生徒もですコーネリウス、アズカバンまで行かなくても、退学処分ですわ!校則をいくつも破っていますのよ!!」



「ん?キミは確か、ルーファスの元婚約者のレディー・エジワールではないか?」



大臣であるファッジは、一年前のランペル家とエジワール家との結婚式ことを振り返った。
ルーファスは有名な魔法使いなので、大臣が二人の結婚の祝福をしようとしていたことを思いだした。そういえば新聞にも書かれていたなと思い鼻で笑った。



「今は義妹よ、レディー・ランペルで通ってんのエジワールは前の苗字よ」

「そうか。義兄のルーファスは優秀だが、キミは実に落ちこぼれのようだな、両親はさぞかし悲しむだろう。ランペル家の娘が退学なんて」

「・・・」



レディーが俯くと、アンブリッジは高らかに笑った。確かに両親に迷惑かけることには変わりない。迂闊だったと肩を落とした。



「ハハッ!よかったわねぇレディー・エジワール、大好きなオシャレをし放題よ」



レディーに満天の笑顔を見せると、レディーは掴まれていた腕を振り払い、中指を立てて暴言を吐いた。今まで溜まっていたもの全てが溢れるかのような気迫だ。


「馬鹿!?私はレディー・ランペルだって言ってるじゃない!名前すら覚えられないのね!脳みそ砂糖で出来てるのかしら!?」

「な!?なんですって!!!?」

「落ち着けアンブリッジ、その娘はダンブルドアと共に学校から追放だ」



ダンブルドアは立ち上がり机の後ろへと歩み、ファッジは詰め寄った。



「幻想を抱いているようじゃな、わしが、神妙にすると。わしはアズカバンに送られるつもりはない」



ダンブルドアの言葉に、アンブリッジは狂ったように言う。


「もうたくさん!連行して!!」



次の瞬間、不死鳥がダンブルドアを包んで姿くらましをして消えた。
レディーとハリーは目を丸くして、ダンブルドアが消えた後をただ見つめていた。



「…あの方は粋ですよ」

「っー!!レディー・エジワール!!」

「だからランペルだってば」



顔を赤くしたアンブリッジに冷めた目で言うと、彼女はよけい赤くなる。


「貴女は退学よ!!いらっしゃい!!」


アンブリッジがレディーの手を思い切り引くと、聞き慣れた声が校長室を包んだ。



「お嬢様!!」


ダンブルドアの机の上にいたのは屋敷しもべのカロンだった。
レディーはニヤリと笑い、アンブリッジの手を振り払いカロンの手をとった。



「さようならドローレス・アンブリッジ。貴女、その洋服似合ってないわよ?」



にこやかに手を振ったレディーは、姿くらましをしてその場から消えた。
残されたアンブリッジはそれはもう、これまでにないほどのヒステリックな声でレディーの名を叫んでいた。


‐‐‐


姿現しをしたレディーとカロンは静かな住宅街にたどり着いた。もう夜だ。電灯がそこら中についている。

見覚えのあるその家に足を一歩前に出す。


場所はイギリス、カッスルクーム。

綺麗な湖のある家。

私が生まれた家。

エジワール家の前だった。


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