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対抗試合があろうとレディーの生活はなんら変わらなかった。ボーバトンの女子生徒と仲良くなって話し込んだりはしたが、それだけで何もない。

ただ、ドラコは違った。

つい最近発表になった選ばれし者に

ホグワーツからは
セドリック・ディゴリー

ダームストラングからは
ビクトール・クラム

ボーバトンからは
フラー・デラクール

が選ばれたのだが、その3人が選ばれた後、ゴブレットからハリーポッターの名前が出てきてしまい、ドラコはハリーイジメに必死だったのだ。


そんなドラコの甲斐?もあってか、生徒たちは「ポーターはずるい」と書かれたバッジをして校内を歩くようになった。

レディーはその光景に驚きながら「ダサーーーーーーい」と心の中で叫んでいた。


レディーが図書館へ本を返しに行こうと外へ出た時だった。賑わう廊下にはハリーポッターがいてみんなから何やら文句を言われているではないか。
彼も大変だと思いながら廊下を歩くと、木の上に人影。


「ドラコ」

「よぉレディー、お前もバッジつけるか?」

「冗談じゃないわよ」


目を細めると鼻で笑われた。このままでは喧嘩が起こると思い、そこから立ち去ろうとするとハリーポッターが近づいてきた。ドラコはすかさずハリーに喧嘩を売る。


「ピリピリしてるなポッター!」


あちゃー。と感じたレディーが一歩後ずさった時だ。ハリーがドラコの体を押した。

「君は卑劣だ!」

ドラコがハリーに杖を向けようとし、これはマズイ!そう思いドラコの腕を抑えた瞬間だった。
アラスタームーディーの放った魔法がドラコだけでなくレディーにも降りかかったのだ。



「「うわぁぁぁ」」

「後ろから襲うような奴はけしからん!」



ずいぶんと景色が低くなっている。横を見てみると、白イタチ。
まさかと思い自分の手と体を見てみるとキツネの姿に変えられていた。
驚いてイタチになったドラコにくっつくが、彼の方が体が小さく潰れてしまった。

体が宙に浮いている。

ムーディが杖を上下に動かし二人揃って体を揺すっていたのだ。


マクゴナガル先生がきて呪文を解くと地面に這いつくばっていたし、気分は最悪だった。周りの生徒に笑われ、制服には土が付いている。こんな屈辱的な思いをしたのは生まれて初めてだ。


「アラスター!懲罰に変身術を使うことはありません校長が言っていたはずです!」

「言っていたかもしれんな」

「まして女子生徒にまで!」


ムーディは顔を背けた。
レディーは怒りのあまり拳を固めている。ドラコはそんなレディーの手を掴み悪口を言い残してその場から駆けて行った。


---


「大丈夫か?」

「大丈夫…ですって!?」


レディーがドラコの胸元を掴んで揺さぶった。ドラコはレディーのあまりの恐ろしさに後退りしていく。

寮の談話室で始まった喧嘩に他の生徒も目を離せなくなった。



「ドラコ!あなたがハリーに喧嘩を売らなければこんなことにはならなかったのよ!」

「レディーが僕に手を出さなければよかったじゃないか!」

「ハリーになんの呪文かける気だったの!?退学にでもなる気!?」

「ちょっと脅そうとしただけさ!!」



レディーはようやくドラコの胸元から手を離し、中指を立てて言ったのだ。


「しばらく口を聞かないで!」


あんな屈辱的な思いはもう沢山よ!と寮の部屋へと帰っていくレディーの後ろ姿を見てドラコは追いかけるように名前を叫んだ。


「おい!レディー待て!!」


寮が静かになった。


寮の生徒たちはみな口を揃えて言ったのだ。
「今度から他の場所でやってくれよ」と。



(レディー!)
(うるさいわよ白イタチ!)

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