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どれだけ私が馬鹿にされれば気が済むの!?もう気が済んだでしょ!?マルフォイなんて好きじゃない!!あんたが勘違いしただけじゃない!私、私、こんな学校来なきゃ良かった!!



「なぁドラコ、何も食べないのか?」


本人の心配というより、目の前の料理の心配をしているゴイルが、ケーキを頬張りながら尋ねた。大広間では多くの生徒が夕飯のごちそうを食べているというのに、どこを見てもアリアはいなかった。さっきアリアに突き飛ばされた胸が痛む。肉体的に痛いのではない。心が痛いのだ。

泣かせるつもりなんてなかった。
ちょっとだけ、自分に関心が向けばいいと思っただけだ。



「くそっ」


ダン!と机を叩くと、ゴイルが皿が落ちないようにと持ち上げた。上級生はマルフォイを睨んだが、マルフォイ家の奴だとわかると顔を背けた。


「ドラコなんだか怒ってる?」


パンジーが心配そうにのぞき込むが、マルフォイの気持ちはさえなかった。本人に謝るべきなんだろうが、幼いプライドが邪魔をして足が向かない。ステファニーが近くにいるのを見つけ、彼女に向かって近くのパンを投げた。


「え、あ。なぁにマルフォイ」

「アリアはどうした?」

「来てないわよ。心配だからもう寮に戻ってみようかと…ハーマイオニーはもうグリフィンドールのテーブルで食事をしているから、スネイプ先生の用事は終わているようだし」

「あーもし、アリア、いやマクゴナガルに会えたら、頼みがあるんだ…」



マルフォイのいつもと違う様子に、ステファニーは驚いているが、頼みの内容を聞いて眉を寄せた。


---


「アリア、大丈夫?」


ステファニーが寮の部屋に戻ってみると、アリアはベッドで本を読んでいた。帰ってきたステファニーにおかえりと言い、本を閉じた。目が腫れているが、ステファニーにそこを突っ込む勇気はなかった。


「あのね、マルフォイから伝言で…」

「…」

「すまなかったって、朝方の5時に、談話室に来てほしいって」



何かあったの?ステファニーはアリアのベッドに腰かけて、大広間からくすねてきた夕食を渡した。アリアはありがとうと言いながら受け取ったが、食べる気分ではないようだった。


「じゃあ、早く寝ないとね。私もマルフォイに言いたいことがあるの」

「そう…」

「あと、あなたにも、ステファニー」

「私にも?」



私、留学するわ。そう言うと、せっかく友達になれたのにと言って、おいおい泣いてしまった。


「あ、明日から?」

「まさか!2年生になったらよ。帰ってくるのは4年生。でも時々こっちにも帰ると思う」


2年間…と呟き、ステファニーはまたおいおいと泣き始めた。手紙書くわと言ったのだろうか。鼻声でよく聞こえない。


「あなた本当にスリザリンなの?」

「パンくすねてきた」

「それはレイブンクローの生徒はしないわね」


アリアがケタケタ笑うので 、ステファニーも微笑んだ。せっかくだからパンを頂くわと言って、アリアは8時間ぶりの食事を摂ることにした。



(今日はよく涙がでる日だ)


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