『ということで、ご飯ー!』
「分かった、分かった。ほれ、そこに一葉いるからそっち行くぞ」
『…一葉と一緒にご飯だと、誰かさんの所為で食費が凄いんだよ』
「そうじゃなくても菓子代が馬鹿になんねぇだろ」
『まあね』

 ははっと乾いた笑いを浮かべて名前は一葉達の方に近づいていく。一葉はそれに気づいたようにで軽く手をあげて見せた。

『一葉、お帰り』
「おう、ただいま。名前も今から飯か?」
『うん、そういうこと。ご一緒しても?』
「ああ。いいだろ、羅漢」
「構わないですよ、俺は。名前さんがいると楽しいし」
「厚かましいの間違いじゃね?」
『雷蓮叩きのめしてやるよ』
「ひでぇ」
「ぷぷー。今のは間違いなく雷蓮が悪いですよー、ねー、名前さん?」
『うん。取りあえず口の中のモノを胃に治めてから喋ろうかテン紅。飛んでくるからさ』

 名前は小さく笑ってそのまま一葉の隣に腰掛けて適当に料理を頼んだ。そして机に頬杖をついて「それで、今回も駄目?」と一葉に訊ねれば浮かない表情で彼は頷いた。

『そっか……。でも、諦めないでね』
「…あんがとな」
『どう致しまして。せめても、もう少し菓子代が減ってくれれば嬉しいんだけどな』
「俺も、食費代がもう少し浮いてくれるといいんだけど」
「羅漢は無理だな」
『ははっ。で、今何の話してたの?』
「ああ、テン紅の調教の話ですよ。そういえば、名前さんの使役神も何かと反抗的ですよね」

 その言葉に名前は苦笑する。

『んー、まあ…私の潔斎は普通と違うからね』
「へ?」

 名前は続きを急かすような視線を浴びてそのまま笑顔で受け流す。すると、遠くから見覚えのある顔がやってくるのを見て、更に深い笑みを刻んだ。

「楽しそうな話してんな。テン紅の調教の話か? だったら俺も興味があるな。ぜひ混ぜてくれよ。なんならテン紅、お前俺のとこに来いよ。それなりに良い生活が出来るようになるぞ?」
「…采和」
「うわっ。藍様!? なぜこんなところに!!」

 采和はとても良い顔で(その後ろに控えている二匹はとても不機嫌だが)説明を高らかにする。それを見て名前はケラケラと笑って挨拶をした。

『采和さん、こんにちは』
「おっ、名前。たまには宮に顔出せよー。東王公や西王母が待ちわびているぞ」

 「はーい」と名前は笑って返事をして采和を隣の席へと促す。そして一葉の話を沢山している間に一葉が出て行ったり、意味深な一葉の話をしたりもした。そうこうしている内に采和は連れて行かれたりしたわけではあるが。

『あーあ…行っちゃいましたね』
「そうですねー…あー、食費が」
『私が自分の分と采和さんと一葉の分出しますから』
「あ、それは助かります…って、俺にテン紅の食費押しつけましたね!?」
あは。頑張ってね』
「うええええええ!!?」
『じゃあねぇ〜』
「ちょ、名前さん!? って消えるの早ッ!!」

とある歌士官の日常A



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