掌編小説 | ナノ


▼ガイ)101戦目の約束

ガイが予約したのは、商店街の片隅にある小さな居酒屋だった。
赤提灯を目印に昔なじみの顔ぶれが次々と入店する。

「まさかあのカカシが、ついに教え子を持つとはな…」

教え子を持った同期ための席だったが、やはりというべきか話題の中心はカカシだ。
誰より早く昇格しておきながら下忍を落とし続けた男が、ようやく重い腰をあげたのだ。

「お前が上忍になったときはまだ飲めなかったんだ。今日はどんどん飲め!」

周りからどんどん酒が注がれるなか、ガイも銚子を持って席を移動する。
カカシは軽く手を挙げてガイを呼び寄せた。

「なあ、ガイ。オレたちの戦いも100戦引き分けだったよな」

「次こそが新章突入の大事な一戦だな!」

「まあ、それもいいが…オレたちもいい年齢だ。ひとつ、次の世代に賭けてみないか?」

首を傾げるガイだったが、次の一言で瞳が見開かれる。

「一年後、オレの生徒はお前のとこのを抜いてるよ」

そうか、教え子を鍛えることに己のすべてを費やすのも悪くはない。
親指を立てて応じたガイに、アスマは遠くで小さく笑った。

「ハハ…カカシの奴、ガイとの勝負をうまいこと回避しやがった」

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