時空の死神 | ナノ


▼ 5.波の国へ超出発! (1/10)

森の中で木陰に身を隠す忍たち――。
七班メンバーの手にはそれぞれ、無線が持たれていた。

「サスケB地点到着」

「サクラC地点到着」

「…ナルトA地点到着だってばよ」

『遅いぞナルト。よし、第七班…ん?』

カカシが応答したそのとき、サッと上空を何かが横切る気配。
全員が固唾を呑んで見守る。
目標を追い込んだ地点から、少し離れたところで、茂みに飛び込む音がした。

『ターゲット移動』

カカシの報告に各自の判断で場所を探る。
ほどなくして、ナルトが再びターゲットを視認した。

「よし、あそこだ」

『目標との距離は』

いよいよ大詰めだと、無線づてに聞こえるカカシの声も自然と固くなる。

「5メートル、いつでも行けるってばよ」

「オレも、いいぜ」

「私も…」

皆のスタンバイが整ったところで、出撃の合図がくだされる。

『よし――やれっ』

勢いよく飛び出したナルトは、一直線に茂みに突っ込んだ。
まさか人が潜んでいたとは思っていなかったらしい。
恐ろしい形相で飛びかかるナルトに、ターゲットは身体を硬直させてしまった。

「おーりゃー!!捕まえたァー!」

「ニャー!!」

ナルトの腕の中で、暴れた猫が手当たり次第に引っかき回す。
負傷者は一名出たがターゲットは無事捕獲した。
姿は見えないもののその騒ぎは離れたカカシのところまで届いていた。

『右耳にリボン。目標のトラに間違いないか』

特徴を伝えるカカシにサスケが答える。

「ターゲットに間違いない」

この脱走癖のあるペットは、以前にも七班が担当して捕獲をしたことがある。
尋常ではない暴れようからしても同じ猫に違いない。

『よし。迷子ペット。トラ捕獲任務終了――』

それはカカシが任務終了を告げ終わる直前のことだった。

「もっと緊張感のある任務は、ねーのかよーー!!」

容赦ないナルトの怒鳴り声が響く。

日当たりのいい場所で読書をしていたソラは、ふと森の中を見た。
その横で、無線を耳から離しそびれたカカシがどさりと倒れる。

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