これでも、ヴァリアー。




新しい物は怖い物だとずっと逃げて来た。でももう終わりにしようって。向き合おうって。新人が入って来たのをいいきっかけにしようと思って、私は戻って来た。

「こんにちはー。一色といいます。フランくんよりは古い、ヴァリアーの幹部です。」

「きいたことないんですけどー。あれですかー?妄想ーみたいなー。あー、でも幹部の制服きてるしなー。でもこんなひょろい女が幹部なんですー?」

お茶を啜りながら私の頭からつま先までを見てそう言った。

「フラン」

私は一瞬でフランを床に組み敷き、首の横すれすれに懐から出したナイフを突き刺した。がたんっと大きな音をたてて椅子が倒れ、フランが飲んでいたお茶のグラスが割れた。

無表情の彼が少し目を見開き驚いた顔をした。周りの人たちもざわざわとこちらの様子を伺っていた。フランの首からは少しだけ血が床に流れていた。

「調子に乗ってもいい人間と駄目な人間はきちんと見分けるべきだよ。
私はベルやスクの様に優しくない。あと骸に教わった幻術は私には効かない。才能があっても幻術が効かない相手にとってその力に頼り切っている術師というのはただの無能な人間でしかないんだよ。」

これでも、一応15年間はヴァリアーなもので。






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