お願い事。
1日に1度は海へいこう。そう決めてから、たった1日、それだけでも海へいけないと窒息しそうになる。溺れて、そのまましんでしまいそうになる。君に会えない日、私は、生きた心地がしない。
「スクアーロ、海に連れてって」
「はぁ?」
フランとの騒動があり、何事もなかったかの様に食堂を出てそのままスクアーロの部屋に来た。スクアーロの部屋はシンプルで、綺麗に落ち着いた部屋だった。
「だめなら、一人でいくからいい。ただ私は車の免許持ってないから、一般人の前で炎を使うわけにもいかないし、歩きになるから何時になるかわからないけど。」
さっきは私も大人気なかった。とはいってもフランと私は同世代だろうが。
まだヴァリアーに帰ってきたばかりだから、気が立っていたのかもしれない。
海をみて、落ち着きたい。
スクアーロはため息を一つついて、ジャケットに勢いよく腕を通した。
「いくなら早くいくぞぉ!!」
「へへ。流石スク。」
ぱぁっと表情を明るくした私に、スクアーロは、やれやれ、といったような顔で呆れたようにし、しかし、ふっと、少しだけ笑んでみせた。