ナポリタンのもちもち(利こま)
2013/02/13 02:03

現パロ。



道で偶然会って、折角だからとお家に呼ばれ、気がつけば椅子に座っている。テーブルのランチョンマットにはフォークとスプーン綺麗に並べられていて、向かいも同じように並んでいた。時計の針は真上を指して、昼食の時間をお知らせしていた。

「さあ、できたよ」
「わあ! ありがとうございます利吉さん!」

白い皿に赤いナポリタンが盛り付けられている。野菜もたっぷりで美味しそうだ。黒いエプロンを取った利吉さんが自分の席に座ったのを確認して、食事の挨拶をした。

「とっても美味しい! さすが利吉さんです」
「こないだテレビでお店の味のナポリタンのレシピを紹介していてね、作りたくなったんだ」
「パスタがもちもちしていていいですね!」
「ああ。そこがポイントなんだよ」
「もちもちパスタのレシピなら僕もお兄ちゃんとみました! 街中の女の子に声をかけて作ってもらうコーナーですよね」

その正解の作り方なら僕も印象に残っていた。ご家庭で作るのに、パスタは前日に茹でて水にさらさなくてはいけなかったのだ。そんなの用意できないとお兄ちゃんと一緒に笑った。

「あれ、でも今日は利吉さんとお約束はしてなかったはず……」

ふと利吉さんを見るとにっこり微笑んでいた。気の所為だったかな。まさか利吉さんが僕の行動を把握しているわけがない。

「気付いてしまったのなら仕方が無い」
「うわあああああ!」







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