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鎖の代わり


「それやるよ。」

サバナクロー寮に泊まった次の日の朝、真っ裸でベッドに寝転びながらレオナさんがそう言った。身支度を整えていた時に後ろから声をかけられ、そこら辺に置いてあるケース見ろ、と言われ覗き込んだら、女性物のアクセサリーがズラリと並んでいる。そこで冒頭の言葉だ。青ざめる。
え?全部?これ絶対レオナさんの私物じゃない……。ま、まさか買ったの?こんな子ジャガに?頭の中のヴィルさんが笑い転げた。ていうか起きてから一時間くらい経ったんだし、服着ません?目のやり場が……。いやめっちゃ見たんだけどさ、暗かったから朝改めて見ると困るんだよ。本人は呑気にくわぁ〜とあくびしてるけど。

「こ、これ全部ですか?」
「は?当たり前だろ。俺がそんなん着けると思うかよ。」
「思わないですけど……。こんなに受け取れません……。」
「は?」

ヒィィ!レオナさんのキレた時の目付きはまじでやばい。さすが肉食動物。命の危機を感じる。でもさすがに、いくら王族でお金持ちだからって、庶民の私にはこんなにお金を使わせてしまったという事実が居心地悪いのだ。し、しかも、仕方がなかったとはいえ、ツノ太郎とも付き合っているわけだし……。え?私ってとんでもない悪女なのでは?レオナさんのプレゼントを受け取った後、何食わぬ顔でツノ太郎に会うわけだ。私が当事者じゃなかったら何やってんだよビ◯チ!って罵っている。

「……私そんな、レオナさんが思っているような人じゃないですから、こんなにされると困ります。」
「俺がしたいと思ったからやってんだよ。良いから受け取れ。」
「そ、それは庶民にはちょっと心が苦しいというか……。」
「あ?……じゃあそこからその指輪だけ取れ。それ以外は俺の部屋にそのまま置いとくからまた部屋に来た時に付ければ良い。」
「ええ……返品とかで良いですよ、本当に申し訳ない」
「お前、俺にこれを返品しに店にもう一回行けってか?酷い女だな。」
「うぐっ」

酷い女というワードがグサッと突き刺さる。そうです、私はレオナさんが思っているような女じゃないんです。二人の男を誑かす酷い女なんです。不可抗力ではあるが。

「ほら、指輪持ってこっち来い。」
「?はい。」

レオナさんは私に指輪を持って来させたと思ったら私をベッドに座らせた。レオナさんは横向きに寝転んだままだ。服を着ろ。彼は私の左手を取ってニギニギした後、指輪を取って薬指にそれを嵌めた。綺麗なゴールドの指輪だ。装飾品もなく、シンプルな物だったけれど、たぶん一般人が買えない値段の物だ。それが左の薬指に嵌っている。

「次からそれ着けて来いよ。」
「は、はひ……。」

レオナさんは指輪を眺めている私を見てフッと笑った。この指輪、持った時は思ったより軽いな、って思ったけど急に重くなってきた。どうしよう。え?レオナさんってそういう感じでお付き合いしているの?まだ付き合って1週間経っていなんだが。ダラダラと汗をかく私をじっと見ていたレオナさんは、急に私の腕を掴んできた。え?何?

「……一回するか。」
「ひょ?!き、昨日5回以上しましたよね?!わ、私これ以上したら腰死んじゃうなー……なんて……。」
「一回だけだよ。一回だけ。」

れ、レオナさんからそんな言葉聞きたくなかった。いつのまにか私の上にのしかかっているレオナさんの顔は、まさに肉食獣のそれだった。ペロリ、舌舐めずりをする。オーマイガー。この後ツノ太郎が泊まりに来るというのに。しかし、これはフラフラしている私の罰なのだ……。甘んじて受け入れるしかない。レオナさんは、私の指と自身の指を絡めながら、そっと私にキスをした。