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ほしがきれいだな


レオナさんとツノ太郎と同日に告白され同日に付き合った。何を言っているか……。もう略そう。
お付き合いを始めてから、ツノ太郎は割と高頻度で、夜オンボロ寮の前に来るようになった。
最初の方はほぼ毎日来たのだが、そんなに毎日来られると申し訳ないから、と私が説得した結果、最近は2日に一回になった。個人的にはあまり減っていない。もっと減らしてくれ。そもそもの説得の本当の理由は、ツノ太郎と夜のお散歩をした後にレオナさんと二時間超の電話をせなばならないのが、割と大きな生活の負担であったからだ。
ツノ太郎もツノ太郎で、帰ろうとするとめちゃくちゃ引き止める。ひっきりなしで震えている私の携帯。地獄である。ツノ太郎も、携帯が震えているのに最近気づくようになり、この状況があまりよろしくないなと思い始めてからは携帯を寮に置くようになった。結果、寮に戻るとえらいこっちゃ。どす黒い声のレオナさんに何をしていたか根掘り葉掘り聞かれる。こ、こえ〜。ボロが出ないように、何をしていたか細かく詳細に嘘のメモを書いてから電話をするこっちの気持ちになってくれ。

「……何か別のことを考えているな?」
「いえいえ、滅相もございません。」
「そうか。」

ツノ太郎と私は、オンボロ寮付近にあるベンチでくつろいでいた。ツノ太郎は手を繋ぐのがお好きで、座っている間もずっと手を握られていた。所謂恋人つなぎである。彼は私の1日の出来事を聞くのが好きなので、あーだこーだと今日あったことを話していた。気づけば二時間ほど時間が立っていたので、寮に帰ります、と言えば、そうか、と悲しそうな顔をされた。う〜ん、綺麗な顔だ。
この散歩は、以前に二時間と決めさせてもらった。体冷やすのは良くないし、と無理やり丸め込んだ。こっちはこの後鬼との電話が待ってるんだ。時間制限をかけないと生活リズムが崩れてしまう。

「あ、そういえば。明日の土曜日、別寮でお泊りすることになったので、お散歩できません。」
「……お泊り?何故?」
「何故?何故って……理由とかいる?」
「理由もなく泊まるのか?というかどこの寮に泊まる気だ。理由なくどこかの寮に泊まるのであれば僕の寮に来れば良いだろう。」
「(ここでサバナクローっていうの絶対良くないよな……二人ってあんま仲良くなさそうだもんな……)エースとデュースと、新しい漫画読もうってことになってそれで泊まるんだよ。二人が友達だっていうのはツノ太郎も話してるから分かるよね?」
「ふむ。ハーツラビュルか……。」

な、なんとか収まりそう……!良かった。なんやかんやツノ太郎はレオナさんより扱いやすいところあるから助かるな〜。

「……ならば、日曜日の夜、お前の部屋に泊まろう。」
「ひょえ?!」
「何だ、何か問題あるのか?以前からその寮の中に入りたいと思っていた。」
「も、問題……。ツノ太郎駄目だよ、こんなボロボロの寮にいるって分かったらセベク達に怒られちゃうよ。」
「リリアに言っておけば問題ない。」
「そ、掃除あんま行き届いてないし、何よりは、恥ずかしいな〜。人にいきなり部屋見られるのは……。」
「僕は人の子の部屋を見て笑ったりしない。何よりお前のことは何でも知りたい。どんな顔を見せてくれても構わない。」
「ぐ、グリム、グリムもいるから〜」
「なまえ」
「ぜひお泊まりしましょう。」

その後なんだかんだで30分は足止めされてお喋りをした。正直会話覚えてません。


え?まじ?レオナさんの部屋泊まった翌日に来るのか。……ええ。休みたい……。もうその日はレオナさんのメッセージを無視するしかないじゃんか……胃が痛い。これが私の罰なんだな……。
己のワカメ並みの流されやすさを呪いながら寮へ戻るのであった。帰ったら着信履歴30件超。泣きたい。