×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
詰問


はい、ご注文ですね、って、また貴方ですか。
懲りませんね。何回言っても僕はなまえさんがどこに行ったかなんて知りませんよ。当たり前でしょう。だって僕はなまえさんがいなくなった日、モストロ・ラウンジで働いていたのですから。みんなが証人ですよ。
え?フロイド?さぁ。僕たちは常に一緒にいるというわけでは無いですから、彼が何をしていたかなんて知りませんよ。それは、なまえさんも同じです。確かに彼女とは親しくさせてもらっていましたけれど、だからといって僕もなまえさんと四六時中一緒にいるわけありませんから、彼女がどこに行ったとか知るわけないじゃないですか。
貴方もそうでしょう?貴方は確か、なまえさんとお付き合いをされてるいるのでしたよね。
貴方の方がなまえさんのことを知っている筈だ。でもわからない。それならば僕に知る筈もありません。
はい、話は終わりましたね。ではご注文を。
……まだ何か?フロイドが貴方に、余計なことを言わないように僕に言われたと、そう言ってるんですね?いやですね、僕はあくまでもフロイドのためを思って言っただけです。あの時は勤務中でしたから。フロイドが戻ってこないと彼がアズールに怒られますからね。
話が分からない人ですね……。僕はなまえさんがどこにいる等知りません。僕達が隠した?はぁ、愚かですね、ニンゲンは。ちょっと心が弱るとすぐ妄言に駆られる。これ以上僕の仕事の邪魔をするなら営業妨害になりますけれど、それで良いんですか?ちょっと、落ち着いてください。何をそんなに言葉を荒げて…。なまえさんがいなくなったのはきっと辛いことだったのでしょうね。心中お察しします。でも、彼女は異世界から来た人なのでしょう。いつかいなくなってしまう存在だったのです。ほら、落ち着いて…。大丈夫です。いつか来る別れだったに過ぎない。きっと彼女も別れを告げるのが辛くて、何も言わずに帰ってしまったんですよ。今日はお帰りになってください。寮生たち、お客様のお見送りを。



「まぁ僕は何も言わずに帰りそうになったらまず邪魔して帰る手段は失くしますけどね、ふふふ。」
「あ、」
「なまえさん、お帰りなさいは?なしですか?」
「お、おかえりなさ、」
「ああ可哀想に、身体中ボロボロじゃないですか。フロイド、あまりいじめ過ぎないでと言ったでしょう。」
「え〜言ってたっけ、そんなこと。でもジェイドもねっとりいじめるから一緒じゃない?長くて可哀想。」
「そんなことありませんよ。ねぇ?」
「………はい。」
「そういえばね、今日もあの人が来てましたよ。」
「っ!」
「…小エビちゃん。なぁにその顔。」
「あ、ち、違、ごめんなさい、」
「ふふ、まだ忘れられないのですか。でも大丈夫です。すぐ忘れさせてあげますからね。」