白蘭side



香耶チャンは誰よりも綺麗。
香耶チャンは誰よりも透明。
香耶チャンは誰よりも残酷。

以上、僕が香耶チャンを人外のなにかだと思う根拠でした。



眠る香耶チャンの髪に触れてみる。
鳥籠に閉じこめた彼女は、毎日遠くを眺め、そして眠る。そんな生活を送っていて。

さらっと前髪をかきあげると、真っ白で可愛い額が現れて、僕はくつりと笑った。



寝台に眠る彼女の体ににまたがり、組み敷いてみても。
その神々しさは損なわれなくて。

生まれ持った者はこうも違うのか、とほんの少しの絶望を覚える。



「君は誰にも渡さないよ……たとえ神にだってね」



柔らかくて少し荒れた唇に、僕の唇を落とす。

温かな体温を感じて、らしくもなくときめいた。


(2013/2/23)

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