平良




今日は七夕、とはいえ……俺の年齢くらいになるとそろそろ七夕とは縁がなくなってくる。最後に七夕ではしゃいだのは、いつか……。多分、小学低学年かもしくは、幼稚園くらいのものだろう……。幼い頃の友達と短冊をつるした記憶がある。その幼い頃の友達が誰かとかはわからないし、記憶の中の彼?彼女?の顔はずいぶんとぼやけてしまっていて、わからない。
「あー、私もそんなもんかもね、七夕ではしゃいだのは」



しみじみと、昔に思いを馳せる名前が悪戯っぽく笑って、言葉を続けた。
「そういえば、外国では天の川をミルキーウェイっていってヘラの母乳らしいよ!」
名前はニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべる。俺は一瞬その言葉に吃驚して、噴出しそうになってしまった。普段下(違うか?)ネタとは無縁な名前の発言とは思えない、俺は戸惑ってしまう。
「女じゃないんだけど、俺。っていうか……名前は俺になんて言って欲しいんだ?コメントに非常に困るんだけど」
そういうと、名前はさっきとは違う子供っぽい無邪気な表情を見せた。
「あはは、貞が困るかなぁと思って言っただけなんだけどね!」



ははぁ……成る程、俺をからかったんだな?俺を困らせたかったんだ?普段俺が困らせているから?
「そうか、後で覚えていろよ名前……」
今度は俺の優勢だ。顔を青くして慌てて許しを請う名前。ま、怒っているわけじゃないけどさ、俺。暫くこのままでも、構わないだろ?





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