ロデオ




この祭典をリア充爆発しろと思う人々は非リアなのかもしれない。隣にいるロデオと言う男は別に、顔が悪いわけでも決してモテないわけでもないだろう。何故こんなことをいうのかは、私にだってわかる。セカンドステージチルドレンという存在であって、学校はおろか普通の人間の女の子との接触が無いためである。単純明快である。「なんでこんな腐ったゴミ屑みたいなイベントが滅ばなかったのか、純粋に謎」ロデオのキャラが壊れるくらいには嫉妬に揺らいでいるようだった。全く、どうしようもない奴だ。



「女の子から告白するイベントがあってもいいじゃないの。あまり女の子から告白するというイベントが無いのだから」たかがチョコレート、されどもチョコレート。「街中浮かれやがって、街を消滅させてやろうか!?」一人で乗り込む気なのか、抑えきれない力のオーラを纏いながら怒りに打ち震えていた。きっと、ロデオだって普通の男の子だったら、あーあー、こんなにチョコレートがあったら腐っちまうぜ、なんて笑いながらちょっと捨てたりなんて悪い事をしていたかもしれない。セカンドステージチルドレンなどという、運命の元にさえ生まれなければ。今頃悔やんでも遅いが、俯瞰する街は確かに浮かれきっている。私は何とも思わないが。(それは性別の差だろうか?)



「まぁまぁ、落ち着きなよ。ロデオだって黙っていればそこそこにイケメンなんだし、セカンドステージチルドレンなんかに生まれなければ、チョコレートくらい腐るほど貰えたってば」ね、ね、と宥めればようやく怒りを沈めたのかまた、街を俯瞰し始めた。貰えないのには変わりがないのだが私の言葉にだいぶ、消火されたらしかった。ああ、よかった。「……そうかぁ?」「貰えたと思うね。イケメンたちは貰える運命の星の元にあるからね」そういうと段々といい気分に成ってきたのだろう、目元がにやけだして最後にはだらしなく目じりが垂れ下がった。



「でもなぁ、貰えねぇのには変わりがねぇしな。別に人間に生まれたかったわけでもねぇけど、」はぁと大げさな溜息をつくと、私は顔を綻ばせた。そういうと思っていたんだよ、最初からすべて予想と計算付くの会話だったのだ。「そんなロデオ君に吉報があります」はい、チョコレート。と投げるように渡すとロデオが落とさない様にひしっとキャッチした。その光景は見事だった。「な、なんだよ!ぎ、義理か!」「私は尻軽ではない、とだけ言っておこうかな」口元は相変わらずマスクで見えないけど、耳と少しだけ見える、頬が紅潮していたのでしてやったりと思ったり。「ばーか、俺だって義理のチョコが沢山あるより、本命一個あるだけでいいし」


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