05.
司会「…それで、記憶が戻ったのは、いつだったんですか?」
ギュ「それからも、しばらくは戻らなかったんですけど、三年後の高1の臨海学校で訪れた海で、全てを思い出しました。」
司会「それは、何かキッカケなるような出来事でもあったのですか?」
ギュ「えぇ、そこの海で……」
高校に入学しても、僕の心はポッカリと空いた穴があるみたいに、いつも空虚な感じだった。
中学では、いつも一人で居たが、僕にもやっと親友と呼べるような友達も出来た。
チャミ「あそこに居る子って、地元の子かな?」
バスの窓から見える海を指差し、チャンミンがポツリと呟いた。
その言葉に、同じ方向を見た。
そこに居たのは、黒くて長い髪を風に靡かせて佇む、一人の少女。
ギュ「マキ…」
チャミ「えっ?」
マキ…無意識に出た名前だが、どこか懐かしさを覚えた僕は、担任に
『記憶を思い出すキッカケになるかもしれないから、ここで降りたい。少しでいいから、海に行かせてくれ』
と必死にお願いした。
この時は、とにかく
『海に行かないと後悔する。彼女に会わなければ』
という思いに駆られての行動だった。
ギュ「マキ…?」
マキ「え?…ギュヒョナ…
どうして、ここに?ギュ-ママから聞いたの?」
【ギュ-ママ】
この呼び方を聞いた瞬間、無くしてた記憶が走馬灯のようにして甦った。
ギュ「…髪の毛、触ってもいい?」
マキ「クスッ、ギュヒョナは本当に私の髪を触るのが好きよね。」
あぁ、マキだ。
僕が大好きなマキの髪の毛だ…
ギュ「しばらく会わないうちに、綺麗になったな。」
マキ「ギュヒョナも、背 高くなったね。」
僕もマキも、さっきから流れてる涙がなかなか止まらなくて、
再会の記念に撮った写真の顔は、酷いものだった(苦笑)
‐5‐
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