03.
マキが風邪で休む前日の夕方、3人のクラスメートが家を訪ねて来たらしい。
彼女達と出掛けてから一時間半、なかなか帰って来ないマキを心配したマキオンマが、近くの公園でマキを発見した。
…【発見】だ。
オンマは急いで家に戻り、毛布にくるんだマキを病院に連れて行った。
マキは医師に何を聞かれても
『覚えてません…』
としか答えなかったそうだ。
警察に通報しようとした医師を
『事件になったら苦しむのは娘です。』
と、マキオンマは必死に止めた…
マキが居ない世界
隣家にも、教室にも、公園にも、どこにもマキが居ない。
僕はそんな世界に耐えられず、
発狂し、意識を失い、
3日後 病院で目を覚ました時には、全ての記憶を無くしていた…
父と母だと名乗る人と共に、僕の家だという所へ帰ったのは、記憶を無くしてから1ヶ月経った日だった。
見覚えの無い両親に、
『記憶を戻したいから、アルバム見せて欲しい』
と言うと、
『どこにしまったか忘れた』
と言われ、
『同じ敷地にある家は、誰が住んでるの?』
と尋ねると、
『随分前に引っ越したから知らない』
と返ってくる。
両親だという存在なのに、僕は不信感でいっぱいになり、食事やトイレ・風呂以外は、部屋に引き籠った。
引き籠っている間に学校は夏休みとなり、御見舞いだというクラスメートが訪ねて来た。
女子A「ギュヒョン君、私の事も分からないの?」
ギュ「…ごめん、分からない。」
女子B「私達、ギュヒョン君が学校を休むまで、クラスで一番仲良くしてたんだよ。」
…『仲良くしてた』と聞かされたが、僕にはその言葉を信じる事が出来なかった。
…逆にものすごい嫌悪感を覚え、『具合が悪い』と言って早々に帰ってもらった。
‐3‐
←†top†→
SUPER JUNIOR