「よし、それじゃあお前ら俺について来い」

遅れて来た割にあまり反省してないような態度をとる担当上忍。
・・遅れてんのに何の言葉も無しかよ・・
ロウゼキは頬を膨らませながら先程殴られた頭をさすっていた。
殴った当の本人は今俺達の前をすたこら歩いていた。
後ろから見るその姿は猫背で、時折煙草の香りもした。

「・・どこ行くんだよ」
「いいからついて来い、お前らみたいなガキに拒否権があると思うなよ」

なんだこいつ。
すごく強引な性格してる。
せっかくさっきは・・・

(・・っ)

ばっばっと頭に浮かんだ先程の光景を頭から吹き飛ばす。
すごく・・綺麗だったのになあ・・・
未だロウゼキの頭の中にはこの上忍の綺麗な顔が焼き付いていた。

「よっし、ここいらあたりでいいかな」

アカデミーから外に出て、俺達を連れて来た場所は慰霊碑がある場所だった。
ざっ、と慰霊碑を前にしてその上忍はこちらに向きなおった。
ライターを取り出す手、慣れた手つきでどこからか取り出した煙草に火をつけた。
ふーっ、と一回白い煙を吐き出してからまたポケットに手を突っ込んだ。
そのままの姿勢で俺達三人の顔を見渡した。「まあ、もう分かっていると思うが今日からお前らの担当上忍になる、奈良シカクってもんだ。
とりあえず、全員軽くでいいから自己紹介してくれや」

あくまでもこの上忍はマイペースのようだ・・煙草を吸いながら、自己紹介しろと言った矢先俺達ではなく空に視線を向けていた。

(・・ねえ・・担当がこういう人で私達大丈夫なのかな・・)
(さあな・・)

くのいちともう一人の男子がヒソヒソと話した。
聞いている俺自身も納得出来た・・大丈夫かこいつで・・。

「ん・・よし、じゃあ右側のお前から順にな」
「えっ、あ、は・・はい!」

急に呼ばれたのかびっくりしたくのいちがびくつきながら自己紹介し始めた。
その次に男子、最後に俺という順番。
くのいちの名前はキノ、もう一人の男子はナガレという名前だったようだ。
好きなもん嫌いなもん適当に述べていりゃいいのかな。
順番がロウゼキにまわってきた、ふーと一息つきながら言葉を出す

「・・俺の名前はロウゼキ!将来火影みてーに強くなんのが夢だ!
好きなもんは実技とか、あと強い奴!嫌いなもんは野菜と・・あんたみてえによくわからねえ奴だ」
「はは、言うねえ悪ガキ」
皮肉のつもりで言ったが効果はあんまり無いようだ・・。
本当にこの上忍大丈夫なのかな・・顔は・・いいのは認めるけどさ、なんか頼りなさそうだ。

「お前の話はよく三代目から愚痴聞くぜえ?悪戯ばかりの問題児だってよ」

くっくっと笑われかっと顔が赤くなる。
奈良と言ったっけ・・その上忍は煙草の灰を地面に落しながら言った。

「お前らには、これから下忍になる資格があんのか俺は見極めなきゃならんらしい。
面倒くせえが、それが俺の義務なんでねえ・・」
「!?どういうことだよ、俺達アカデミーの試験を受けてもう下忍になった筈じゃ・・」
「あー、すまんがあれは下忍になれる可能性のある奴を選抜する試験でしかないんだわ。
結論から言うとお前らはアカデミー生と下忍の中間地点、これから俺の出す課題をこなせなかったら・・」


お前らアカデミーに逆戻りだかんな


「「「はああああああああ!?」」」





あんたに見惚れた!






(こんな時なのに俺何考えてんだろ・・)



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