君不足が非常に深刻です

▽雲雀視点/R16


もっと、もっと…求めても求めても足りない。どんなに彼女を求めて、手に入ったとしても、全然足りない。君不足が深刻だ。こんなことを言ったら君は笑うだろうね。僕らしくない、と。でも、君が足りなくて、何も満たされないこの感情がもどかしい。苦しくはない、けど、君を必死で求めている僕の体。

「満たしてくれる?ハル、」
「…意味が分かりません。突然呼び出して、満たして、ってどういうことですか?」
「別に理由は知らなくていいよ。ただ、君を抱かせてくれればそれでいい」

ハルは僕の言葉を聴いた瞬間にぼんっと顔から火が出るような勢いで顔が赤くなった。確実に体全体が、熱を持ってきているはずだ。そんなことを冷静に考えていると、ハルは防御体制をとっていた。僕を軽く睨み、距離を少しずつとっている。

「ハル、何してるの?」
「ひ、雲雀さんに食べられないように距離を取って、るんで…す」

言い終わらないうちに僕は簡単にハルの背後に回り、抱きしめた。細く、簡単に折れてしまいそうな背中はハルの甘い匂いがした。ああ、甘い。甘くて、ひどく中毒性がある匂い。ハルの匂い。

「ねえハル」
「何ですか…?」
「君を、今から抱くよ」
「い、や、です。ハルは、嫌、っ」

もう駄目だ。もう我慢できない。ハルのすべてを僕に。今すぐ。欲しい、欲しい欲しい欲しい。

「ん…はぁ、う、ぅん…ひ、ばっ、…さん」
「何、ハル。もっと、欲しい?」

強く深くハルの中に己を沈めようとすると、ハルは必死に首を振って嫌がった。泣きじゃくるハルを見ても、僕には止めるなんて選択肢はなかった。ハルを抱くこと以外、考えられなかった。ハルが、愛しい。愛しくて仕方ない。僕は彼女を欲望のままに抱いた。獣のように、自分の欲望のままに。彼女はもう何も考えられないようだった。瞳からは止め処なく涙が流れる。

「ハル、ハ、ル…、っ」
「ひ、ぁっ、ひ、ばり、っさん」

君不足だった僕の体は満たされていく。そして、僕たちは一緒に果てた。


君不足が非常に深刻です


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