いい子なんて存在しないよ

▽ハル視点


ハルが純情で、素直な女の子に見えるならそれは間違いです。本当は可愛い乙女でも何でもない。ツナさんと、ツナさんが想いを寄せる彼女を騙した悪い女の子。ツナさん達は私の嘘で、かわいそうだけど曖昧な関係になってしまった。もう少しで結ばれるはずだったツナさんと、…京子ちゃん。ごめんね、本当に、ごめんね。
いくら謝っても許されることのないことをしたハルは消えた方がいいのでしょうか?神さま、いるなら答えをください。この、罪深きハルに。もう、ハルには分からないです。ツナさんに対して抱いていたあの感情が恋だったのかも。もしかしたら恋じゃなかったのかもしれない。獄寺さんと一緒で、憧れだったのかもしれない。
ハルはもう、分からない。どうしたらいいのか、もう分からないです。

「三浦、泣いてるの?」
「っ、泣いても、いいのでしょうか?ハ、ルは…泣くことを許される存在、ですか?」

あんなにひどいことをしたハルは泣いてもいいのですか?泣きたいのはツナさん達なのに、ハルが泣くなんて、間違ってませんか?ハルは逃げちゃいけないんです。そうですよね、雲雀、さん?

「確かに、三浦がやったことは間違っていた」
「は、い」
「でも、三浦は泣いてもいいと思うけど?一番苦しんでるのは三浦だって、僕は知ってるから」

その言葉にハルの心は少し軽くなった気がした。


いい子なんて存在しないよ
title by 待ってて神さま


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