▽織姫ちゃんそれなりに料理できる設定



ある日の朝織姫は台所に立ち何かを真剣に作っていた。甘い匂いが台所を包み込む。織姫の手元には、平らに伸ばした生地があり、一部型抜きされた跡がある。その一部は織姫の横にあるオーブントースターで焼かれているようだった。しばらくすると織姫はその中からクッキーを取り出し1枚口に入れた。

「うん、おいしい。今までで1番上手くいったかな」

味を確かめてうんと頷くと、残りの生地も全て型抜きしてオーブンにいれた。それらはすぐに焼け、織姫の手によって綺麗にラッピングされていった。可愛い薄ピンクの箱に、濃いピンクのリボン。女の子らしさが出ている。それを机に置き、ちらりと時計をみた織姫はそこで気づいた。焼き始めてからずいぶん時間が経ったことに。織姫は急いで出かける支度をする。支度が終わると机の上の箱を持ち、勢いよく玄関を飛び出していった。


「何も言わず来ちゃったけど、迷惑じゃないかな…。どうしよう」

織姫が入ろうかどうしようか迷っているとき、修兵が姿を現した。

「あれ、織姫ちゃん?こんなとこで何してんだ?」
「あ、あの…これ作ってきたんです。良かったら食べてくれませんか?」
「織姫ちゃんの手作り?ありがとな」

背中に隠していたクッキーの入った箱を差し出し笑顔で「食べて」と言う織姫に修兵も笑顔で応え、リボンを解いて中のクッキーを1枚口に入れる。クッキーは甘すぎず、ちょうどよい甘さで、修兵は満足そうに頷いた。織姫はそんな修兵を見て安心したのか花のような笑顔を浮かべた。

「織姫ちゃん、いいお嫁さんになるな」
「そ、うですか?」
「ああ、そうだ。寧ろ俺のお嫁さんになってほしいくらいだ」

さらりとプロポーズしてきた修兵に固まる織姫。しかし修兵はとくに考えずに言ったらしく、何故織姫が固まっているか分かっていないようだった。


それってプロポーズですか


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