「女?」

ウルキオラが織姫の部屋を訪れると、彼女の姿はなかった。確かに霊圧は感じたのだが。改めて、霊圧を探ってみると織姫はウルキオラの部屋にいることが分かった。いつの間に移動したんだと不思議に思いながらも自室へと向かう。扉を静かに開けると、織姫はウルキオラのベットで眠っている。

「…何故ここにいる」

言葉に出してみるが、織姫が返事をするはずもなく寝息だけしか聞こえない。シンとした空間に織姫の寝息だけが響く。顔を覗きこむと、織姫は泣きながら眠っていた。そして、ごめんね黒崎くんとつぶやく。ウルキオラにとって、その名前は不快でしかない、しかもその名前を織姫の口から聞いたとなると尚更だ。ウルキオラは、織姫を叩き起こし自室へ戻るように促すことにした。そして、早速布団を剥ぎ取り髪を何本か束ね上に引っ張る。

「い、ったたたたっ。う、ウルキオラさん痛いですっ」
「人の寝床に勝手に寝といてよく言う。早く自室へ戻れ」

しかし全く戻る気配は感じられない。じっとウルキオラを見つめて、何かを訴えているようだがウルキオラは完全無視。織姫はしゅんとなりながらとぼとぼ歩き出すと、ウルキオラが声を掛けてくる。織姫は満面の笑みで振り返り、その言葉に頷きウルキオラの下へと走っていく。がばっと思い切り抱きつき、そのままベッドに二人で倒れる。

「…最初から素直に言えばいいものを、何故言わない」
「だ、だって恥ずかしいじゃないですか。寂しいから一緒に寝て下さい、なんて…」

頬を赤くしてそう話す織姫にウルキオラは小さく笑う。滅多に見ることができないウルキオラの笑顔に、織姫も笑顔になりじっとウルキオラを見つめる。しかしすぐにいつもの表情に戻るウルキオラ。織姫は残念そうな顔をする。

「さっさろ寝ろ」
「もう少し…、ウルキオラさんとお話したいです」
「勝手にしろ」
「ありがとうございます」

冷たく言うが、ウルキオラはしっかり織姫を話を聞いていて、時々織姫にバレないくらいの小さな笑みを浮かべるのであった。


心地いい女の声


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