「グリムジョーさん。ねえグリムジョーさん?グリムジョーさんってば」
「うるせぇ」

気だるそうに一言そう言って織姫の口を塞ぐ。突然のことで織姫は息をすることを忘れていた。んむと苦しそうに顔を歪ませる織姫を見てグリムジョーは笑っていた。そして先ほどより深く口付ける。織姫は耐えられなくなりグリムジョーを思いっきり突き飛ばす、口からはだらしなく唾液が垂れていた。

「グ、グリムジョーさんのばか!」

顔を真っ赤にして織姫は部屋から出て行った。織姫が部屋から出て行った瞬間、グリムジョーは小さく笑った。そして目を瞑り、深い眠りについた。

「グ、グリムジョーさん…いつも突然なんだから!」

まだ先ほどの熱が残ったままの織姫は自室に置かれた椅子に腰掛け、そうつぶやく。織姫に用意された部屋は殺風景で、色もなく一護達と一緒にいたときは輝いて見えた世界は今では無色で何の輝きも感じられない。だが、グリムジョーが意外と優しいことや不器用なことを知ってから世界が色づき始めた。それは、グリムジョーを心から愛している証拠だった。

「突然じゃ不満か、女」
「え、あ、グリムジョー、さん」
「じゃ許可とればいいんだな?」
「え、」

そう言うとグリムジョーは織姫を真正面から見つめ、聞いた。

「キス、してもいいか?」
「え、と、突然どうしたんですか?今までは許可もなくしてきましたよね?」
「てめえが突然じゃ嫌みたいな反応するから、わざわざ聞いてやってんじゃねーか。何だ、わがままな女だなてめえは」

ギロリと鋭い目つきで睨まれ、一瞬怯む。言葉が見つからず、口をぱくぱくさせているとグリムジョーがククッと小さく笑う。織姫はわけが分からず首を傾げると、グリムジョーは乱暴に頭を撫でる。

「…お前といると飽きねーな。今日は特別に構ってやるよ」
「ほ、んとうですか?」
「ああ、疑ってんじゃねーよ」
「嬉しいです…っ。たくさん、お話しましょうね!」


あなたに構って欲しいの
(グリムジョーさんはやっぱり優しくて、素敵な方です)


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