▽音也視点


可愛い顔を見せられたら我慢なんてできるわけないだろ?だって、春歌は元々可愛いのに頬を赤らめて上目遣いなんてされたらもう理性なんて残らない。大切にしたい、そう思っていたのに俺は自分の欲望をコンロールできなかった。気づけば春歌を自分の胸の中に閉じ込めて、その柔らかい唇をふさいでいた。

苦しそうな春歌の表情を見ても止める気にはならない。いや、なれない。もっと、もっと春歌が欲しい。自分だけのものにしたい。

「んぅ…ふ、っあ。おと、やっ、く、」
「春歌、可愛い」

いったん唇を離すと春歌は苦しそうに息を吸って、俺を見つめてきた。そしてそのおいしそうな唇が薄く開いて、俺の名前を甘い声で呼んできた。それだけで俺は幸せな気分になれるし、もう春歌のことしか考えられなくなる。それくらい春歌は可愛くて、俺の心を簡単につかむ。

「…音也、くん」
「ん、どうしたの春歌」
「あの、キスって…あったかいですね」

ふわりと花開くような笑顔を俺に向けて春歌はそう言った。ああ、もうどうしてこんなに可愛いんだろうか。可愛い、本当に可愛い。

「春歌、今日はもう我慢できそうにないかも」
「えっ?」


ごめん我慢できそうにないよ
(春歌が可愛いからいけないんだよ)


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