▽トキヤ視点


HAYATO様と君は一日に何度もその名を呼ぶ。HAYATOは私です、と言ってしまえれば楽になるのに私は言えない。臆病者だ。言ったあと彼女にどう思われるか不安で仕方がない。君が思っているHAYATOは実際はこんなにかっこ悪い男なんですよ、春歌。
そもそも自分自身に嫉妬するなんて。こんなにも春歌が愛しい存在になっているなんて驚きです。

***

「春歌、何を聴いているのですか」
「HAYATO様の曲です!」
「…そうですか」

私がいると言うのに春歌は別の男の曲を聴いている。別の男と言っても私の話ですが。けれどHAYATOと私は別人のようなもの。HAYATOの曲を嬉しそうに聴いている春歌を見て何も感じないわけがない。可愛い顔をして、HAYATOの曲を聴いている春歌を見ているとどうしても、黒い感情が渦巻く。

「春歌…私がいるのに私以外の男の話をするのはやめてもらえますか?」
「あ、ごめんなさっ…んぅ…ふっ」
「ほかの男が気になるなら、私に夢中にさせてあげます」

少し深いキスをすると春歌は苦しそうな表情をした。唇を一回離すと春歌は涙目で私をにらむ。そんな顔してもぜんぜん怖くありませんよ春歌。春歌はどんな表情も可愛いのですから。にこりと微笑んでもう一度キスをすれば彼女は諦めたようにおとなしくなった。

「素直になったご褒美に、気持ちいいことしてあげますよ春歌」
「え、ト、トキヤさんっ?!」


意識しちゃってください
(他の男が見えないほどに私のことを)

title by 確かに恋だった


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