▽幼なじみ設定/葵視点

「京ちゃん!」
「何だ」

私が大声で呼べば不機嫌な顔をした京ちゃんの瞳がまっすぐ私を見つめた。赤くなった頬を見て私はああまたやったんだなって笑ってしまった。京ちゃんの頬が赤くなっているときはたいてい、女の子をひどいふり方したとき。と言っても京ちゃんは女の子への接し方が分からなくて冷たいふり方になっちゃうだけなんだけど。それでも、女の子たちにとってはすごくショックなわけで、こうして頬を叩かれてしまう。

「また女の子泣かせたの?」
「…俺は興味ないって言っただけだ」
「そういう言い方、女の子は傷つくんだよ」

そんなこと言われてもっていう顔した京ちゃん。多分京ちゃんには一生優しいふり方はできないなあって思う。けど京ちゃんのこういう不器用なところが好きだったりする。ていうより大好き。もう兄妹みたいな仲だし、京ちゃんにもし彼女ができたらさびしいだろうなって、そう思うぐらい大好き。

「京ちゃんに彼女できたらすごくさびしいなあ」
「そんな心配いらない」
「えー?何で?」
「俺はお前しかいらないから」

真っ赤な顔して京ちゃんは言った。あ、れ?顔が熱い。胸がドキドキうるさい。兄妹みたいな仲だって自分でいったくせに、何でこんなにドキドキしてるの?ああもう全部全部京ちゃんのせいだ。京ちゃんがいきなりそんなこと言うから。今までそんなこと素振りみせたことなかったくせに。

ずるいよ、京ちゃん。


ばいばい、さっきまでのわたし
(今から私は恋する乙女)

−−−−−
かなてさんへ捧げます。相互ありがとうございました。一年生の誰か×葵ということで京葵書かせて頂きました。


BACKNEXT


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -