遅すぎた好きという気持ち

 
※神アレは元恋人で神田がアレンくん意外と良い仲な表現あり。





キミの手を離したのは僕だった。
恋がわからなかった。

進学先も違うところにして家も実家を出て一人暮らし。


でも、
辛いとき。
悲しいとき。
泣きたいとき。
嬉しいとき。


思い浮かぶのはぜーんぶキミ。

学校からなにから違うから、会うことなんてないのに。
どこかでキミを探してる。


黒く長い髪を見ると目で追って、すらりと高い長身を見ると心がざわついて。
どうしようもない。



友達と遊んだ学校帰り、正面を歩いてくる人たちに思考を全部取られた。

夜の闇に溶け込むように黒を纏ったキミが、綺麗で美人な人と腕を組んで歩いてた。

俯き気味に歩いてたキミが顔をあげた瞬間、僕の心臓は一度だけわし掴まれたように波打った。

お互い歩みを止めた。
キミは組んでいた腕をほどいて、僕は結局来た道を走り去った。

追ってくる気配はなかった。

それが少しだけ悲しく寂しかった。

そして気づいた。

僕はキミが好きなんだ。
好きだから探して、心が痛いんだ。

でももう遅い。
一度離した手をもう一度掴むのは難しい。
距離は開くだけ。

いつの間にか溢れた涙もそのままに走り続けた。



心に残ったこの想い。
行き場のない恋心。
遅すぎた好きという気持ち。



いつか報われるだろうか。





END








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