12-2

生徒会が始まる時間になり、ルルーシュと一緒に生徒会室へと足を運ぶ。
シャーリーが一番に出迎えてくれた。

「空!
出て来てもう大丈夫?」
「うん。
休んだおかげで元気になったよ」

みんな揃っていて、安心したように笑っている。

「みんな、手紙ありがとう。すごく嬉しかった」
「空、ちょっとこっち来て」

ミレイに呼ばれて、どうしたんだろうと不思議に思いながらそばまで行く。
突然ガバッと抱きつかれた。

「ひゃああああ!!?」
「復活したのはいいんだけど、ミレイお姉さん元気を分けるつもりでいたのよォ?
余っちゃったから受け取りなさい! さぁ受け取りなさい!!」
「いや、ちょ、無理、嬉しい、けど、無理っ」

ガッチリとホールドされ、豊かな胸を押し付けられて苦しい。
「おわぁ〜うらやましい」とか「会長さんはすごい熱烈ですね」とか外野の声が聞こえてくるだけで、誰も助けてくれないようだ。
もがいてもがいて、顔を上げてブハッと息をしたけど、意識がフッと遠くなる。

「ミレイちゃんミレイちゃん、空が白目向いてる!!」

叫ぶニーナにピタリとミレイは動きを止め、ホールドしていた腕がゆるみ、解放される。
初めて聞く大きな声にあたしも驚き、飛びかけた意識が戻った。

初めて名前を呼ばれた気がする。
目をぱちくりさせてニーナを凝視すれば、彼女は顔を真っ赤にした。
つかつか歩み寄り、ガッと手を掴んで引っ張ってきた。

「来てっ!」

みんながぽかんとする中、ニーナに引きずられる形で廊下に出た。
彼女はピシャンと扉を閉める。

「ど、どうしたの?」
「何も聞かないでッ」

悲鳴のような声だ。
ニーナは掴んだ手をパッと離し、かわいい顔で睨んでくる。
目に涙がたまり、今にもこぼれそうだ。
肩も震えている。

「わ、私、イレブンは怖いと思ってる。
近づきたくないし、関わりたくないと思ってる。
今でもその気持ちは変わらない。
で、でも、でも私、あなたにはそう思わなくなっているっ」

がたがた震えながらの言葉だった。

「助けてくれてありがとうそれだけだからっ」

ニーナは早口で言って、ガラッと扉を開けて中に戻った。
嬉しいことを言われたはずなのに心がなかなか追い付かない。
カレンが来てやっと、にやにやと顔がゆるんできた。

「……空、どうしたの?」
「カレン出して手」

カレンはワケが分からず目を丸くし、だけど手を出してくれた。
その上にあたしはポンと手を乗せる。

「……どうしよう。
す――――――っごい! 嬉しいんだけど!!」

それだけ言うので精一杯だった。

その後、ずっとにやにやしてしまい、事情を知らないシャーリーや全部察したリヴァルやスザクやミレイが微笑ましそうに笑っている。
ニーナは居心地が悪い顔で恥ずかしそうで、生徒会が終わるなりバタバタと逃げていってしまった。
話したかったのになぁ、とシュンとしたら、カレンに公園へ行こうと誘われた。

放課後の公園は買い物で通った時より人の姿が多い。
隣を歩くカレンは、あたしを見て嬉しそうに笑った。

「もう大丈夫そうね。
抱えていることを受け入れてくれる人が、あなたのそばにいてよかったわ。
……でも悔しい。
ホントは私がその役目につきたかったのに」

そう言ったカレンは少し寂しそうだった。

「カレンのおかげだよ。
あの時、カレンが部屋に来てくれたから、今こうやって外を歩くことができるんだ。
ありがとう、カレン」
「そう言ってもらえて嬉しいわ。
……空が抱えていること、私には話せる?」

言葉に詰まれば、カレンは小さく笑った。

「ウソよ。ごめんなさい。
空の抱えているのが、他の人に簡単に話せるようなことじゃないって分かってるから。
私だってあるのよ? 誰にも話せないことが」

誰にも話せないこと、か。
心当たりがあるけど知らないフリをしておかないと。
カバンを片手に、うんとカレンは伸びをする。

「んー。
……ふぅ、今日は気持ちいい天気ね。
ここをまっすぐ進んだところに、美味しいクレープを売っているお店があるの」
「それって手紙に書いてくれたことだよね」
「そう。空と一緒に食べたくて。
私の家、この公園の近くにあるんだけど、帰りに時々そのお店に寄って食べてるの。
いちごのクレープが一番美味しいんだけど、それでいい?」
「うんっ!」

一番美味しいとカレンに言わせるなんて、そのクレープはどれだけ美味しいんだろう。
わくわくと心が踊る。

「そこのベンチで待ってて。買ってくるから」

カレンの指定したベンチを見て、あっと声を上げそうになった。
い、イノリさんが座ってたベンチだアレ……!
カレンは小走りで行ってしまい、その背中を見送りながらため息がこぼれる。
とりあえず座ったけど、イノリさんの言葉がまた浮かぶ。

『あの子、学校ではどうしてます?
あなたの他にもお友達はいる?』
『私のこと、あの子には言わないでください』


友達や学校のことを、どうしてイノリさんはカレン本人に聞けないんだろう。
イノリさんは『紅月』で、カレンは『シュタットフェルト』を名乗っているのが関係しているのだろうか?
お前にはどうにもできない問題だとC.C.に言われたけど、本当にその通りだ。
これは部外者が首を突っ込んじゃいけない事だ。

「すみません」

渋い男の人の声が頭上から。
考えることに集中していたからビックリした。
バッと顔を上げ、視界に飛び込んだのは見事なケツアゴ。
声をかけたのはディートハルトだった。

「すみません、少々お時間よろしいですか?」

思いもしない人物にあたしは固まった。
ディートハルトは流れるような優雅な動きで隣に勝手に座る。

「私の名はディートハルト・リートです。名刺をどうぞ」

貰いたくないものを差し出してきた。
受け取るまで動かないと言わんばかりに、そのままの姿勢でディートハルトは笑っている。
ハミガキ粉のCMのように、キラリと光る白い歯を見せて。
嫌だ怖い気持ち悪い、と思いながらも心が折れてしまい、名刺をそっと受け取った。

「感謝します。
大抵の方は受け取らずに目も合わせてくださらないですから。
私があなたに声をかけたのは、カワグチ湖のコンベンションセンターホテルでの一件について話を伺いたかったからです」

うわぁやっぱり。
ディートハルトが知りたがってるのは黒の騎士団についてのことだろう。

「日本解放戦線から送られてきた映像にあなたがいた。
そして、ホテルの宿泊リストにイレブンの少女の名前も残されている。
だが、黒の騎士団によって人質が解放された際、あなたの姿はなかった。
倒壊したホテルの残骸から少女の遺体は見つからず、あなたは行方不明として扱われている。
誰かが裏で圧力をかけているように、あなたについての報道は一切されていない」

もったいぶった遠回しな言い方。
本題を早く言ってほしい。

「あなたは黒の騎士団に保護されていましたか?」

探るような瞳に寒気がする。
気持ちをしっかり持たないと負けてしまいそうだ。
それは何だかすごく嫌で、ディートハルトを強く睨む。

「確かにあたしは黒の騎士団に助けてもらいました。
それであなたは何が聞きたいんですか?
黒の騎士団について? それともゼロ?
あたしはあなたが知りたい情報はひとつも持ってないです。
あなただって分かってるでしょう?
軍に喋るかもしれない人間に、黒の騎士団がわざわざ情報を教えたりしないって」

ディートハルトは不敵に笑う。
この人苦手だ。少し話しただけでそう思ってしまった。

「私が聞きたいことはあなたのことですよ。ソラさん。
話したくなったら連絡してください。
どこへでもすぐに駆けつけますから」

ディートハルトはスッと立ち上がる。

「あなたにひとつ教えましょう。
本当に何も知らない人間は『知らない』と言うものです。
聞かれたくない事を質問されたら、口を閉ざすのをオススメしますよ。
それではまた」

にっこりと笑い、そう言い残してディートハルトは去っていった。
姿が見えなくなってやっと気づく。

「……そうか。
あたし『知らない』って言えばよかったんだ……」

あの笑みが勝ち誇った笑顔だと気づき、受け取った名刺を破きたくなったけど、ルルーシュに話さなければと踏みとどまった。
その後すぐにカレンが戻ってきて、いちごのクレープを持たずにルルーシュを引き連れてくる。

「……あれ?」

どうしてルルーシュがカレンと一緒にいるんだろう?
あたしの視線に気づいたのか、ルルーシュが教えてくれた。
用事があってこの公園を通り抜けようとしたらカレンと偶然会ったそうだ。
次にカレンが話してくれた。
ルルーシュとカレンはクレープ屋の近くで、日本人が5人のブリタニア人に一方的に暴力を振るわれている場面に遭遇したそうだ。
そのブリタニア人はルルーシュと話すなり、飽きたと言って帰ったそうだ。
ギアスを使ったんだろうなぁと、カレンの話を聞きながら思った。
あたしの右隣にカレンが座る。怒ってるの?とハラハラする座り方だった。
ルルーシュはあたしの左隣に座る。

ムッとした顔のカレンに詳しく話を聞いてみる。
助けに入ろうとしたカレンをルルーシュが止めたそうだ。
ルルーシュを見れば、淡々とした声で理由を教えてくれた。
その日本人はこの公園で店を出していて、商売ができなくなると考えてカレンを止めたそうだ。

「……エリア11は日本だった頃に比べて、良くなったとも言えるよ。
ブリタニアの植民エリアに入れたおかげで軍事も経済も格段に安定した。
市民権だって手に入る。
役所に行って手続きをすれば名誉ブリタニア人になれるじゃないか。
あとはプライドの問題。
まぁ、そっちを大事にしたい気持ちも分かるけどね」
「それで?
そこまで分かってて、ルルーシュ・ランペルージはどういう考えなの?
何をしたいの」
「別に」
「キミはずい分頭が良いけれど持ち腐れね。シャーリーが嘆いていたわ。
『ルルは努力しようとしない。せっかく頭がいいのに』って」
「だから何もしないんだろう。
さっきのイレブンだって分かってるんだ。ブリタニア人に頭を下げたほうが良い暮らしができるって」

それは言っちゃダメだろうと思った。
カレンがバッと立ち上がる。
今にも飛びかかりそうな、めちゃくちゃ怒っている顔をしていた。

「かっこいいと思ってるの!?
そんな評論家ぶって、世間を斜めに見てるのが!!」

怒鳴って、カレンはひとつ息を吐く。
軽蔑した鋭い目でルルーシュを睨んだ。

「少しでも期待した私がバカだったわ。多少はマシな男だと思ったのに」

吐き捨てるように言い、カレンは歩いて行く。
背を向けた一瞬、顔が泣きそうに歪んだのが見えた。
考える前に体が動く。

「ごめん、ルルーシュ。
あたし、カレンのそばにいるね」

彼女の背中を追いかける。
カレンしか見ていなかった。
ルルーシュがどんな顔をしていたか分からなかった。

腹の底から怒ってるようで、カレンは大股でズンズン歩いている。
こっちは追い付くので必死だ。
だいぶ進んでピタリと足を止め、怒った顔でこちらを見る。
目が合えば、カレンの表情が少しだけ柔らかくなった。

「……正直、空があの場に居なくてよかったわ。
ルルーシュは話してなかったけど、ブリタニアのヤツらが帰った後で、その日本人は私達に何て言ったと思う?」

口元に笑みは浮かべているけど目は怒りで鋭かった。
答えられないあたしに、カレンは続けて言う。

「『カリフォルニアドッグはいかがですか?』よ。
蹴られて、踏まれて、ただそこにいるだけ……そんな理由で、ブリタニアのヤツらに理不尽な暴力を浴びせられたにも関わらず」

怒りを含んだ呆れた声だった。

「『ブリタニア人に頭を下げればいい暮らしができる』
そんなの、自分を捨てて逃げてるだけじゃない」

独り言のように呟き、カレンはくるっとこちらに向いた。

「空に黙ってたことがあるの。
私の本当の名前は『紅月カレン』
ブリタニア人と日本人のハーフよ」

誰にも話せないと言っていたのに、カレンは少しもためらいがない。

「私の生みの親もね、ブリタニアにすがって生きてるの。頭下げてヘラヘラ笑っているわ。
理解できない」

カレンは嫌悪に顔にしかめた。

「自分や誇りを曲げてまで、ブリタニアに頭下げなきゃいけないほど大切なことがあるの?」
「あたしは……」

『自分や誇りを曲げてまでブリタニアに頭を下げなければいけないほど大切なこと』
そんなもの無いとカレンの瞳が強く訴えているけど、あたしはそれに同意できなかった。
大切な人を守るために自分の心を殺して生きている人を知っているから。
だけど、それを伝えても今のカレンに届かないだろう。
何も言えなくなり、彼女から視線をそらす。
ふと、視界の端っこに見えたものに目が釘付けになる。
開けっ放しにしたまま転がる小さな箱────イノリさんの持っていたオルゴールだった。
 
「ごめんカレン!
ちょっと待ってて!!」

慌てて駆け寄って、慎重に拾い上げる。
底にあるゼンマイを巻けば、『ゆうやけこやけ』のメロディーが流れた。

「……やっぱりイノリさんのだ。
どうしてこんなところに……」

そばに来たカレンに、手に持っているものを奪われた。
彼女は冷たい表情でオルゴールを見据える。

「イノリ……。
………そう。まだこんなもの持ってたのねあの人。
これの持ち主が、さっき言ってた私の生みの親よ」
「何かあったんだよ。
じゃないとこんなとこに落ちてるわけない。
だってすごく大切そうに持ってたもん」
「落としただけじゃないの?
……まぁ、たとえ何があっても私には関係ないわ」
「関係ないって……家族じゃないの?」
「家族?
違うわ。あの人は、今はただの使用人」

カレンの冷めきった物言いに、殴られたような気分になった。
彼女は近くにあるゴミ箱まで進み、オルゴールを投げ捨てる。

「いらないわ。あんな人」
「ダメだよ!」

石みたいだった足を動かすことができた。
ゴミ箱に飛びつき、オルゴールを拾い上げる。
誰かが捨てたジュースがベッタリ付いていて、慌てて袖で拭った。

「ダメだよ、そんなこと言っちゃ……。
……だってお母さんじゃん」
「母親じゃないわ、あんな人。
ブリタニアにすがって、男にすがって、それでヘラヘラ笑ってる。
早くいなくなればいいのに」
「そんな言い方……」

カレンのお兄さんは亡くなっている。
『紅月』と名の付く人はカレンとイノリさんしかいないのに。

「イノリさんがいなくなったら、カレンひとりになっちゃうじゃん……」
「あなたが私の何を知ってるの!?
知ったふうな口きかないでッ!!」

カレンはあたしからオルゴールを奪って、思い切り地面に叩きつけた。
割れる痛々しい音がして、大小の破片が散る。

「帰るわ。さよなら」

そして、カレンは歩いていった。
体が少しも動かない。声も出せない。
カレンの姿が遠ざかり、見えなくなってやっと、地面に転がるオルゴールに視線を落とした。
フタが外れてボロボロだ。多分、音も出ないだろう。
ハンカチを出して広げ、破片をひとつずつ拾い集める。

「知ったふうな口きかないで、か……」

本当にその通りだ。苦笑いしか浮かばない。
思えば、ここに来てからずっとそうだ。
ルルーシュに対しても、スザクに対しても、思い返せば他にもたくさん。
知ったつもりで、相手にズカズカと踏み込んでいた。
後ろで気配がして、振り返る。

「何があった?」

ルルーシュの姿を見て、少しだけ泣きそうになった。


 ***


クラブハウスへ帰る道中、あたしはカレンとの一件をルルーシュに話した。

「……そうか。
だからカレンは先に帰ったんだな。
知ったふうな口をきくな、か。確かにその通りだな」

グサリと、ルルーシュの言葉が胸に鋭く突き刺さる。

「俺も最初の頃はよく思っていたよ。
『知ったふうな口をきくな』と」

グサグサッと、さらに突き刺さる。

「それで最初の頃は怒りを覚えたね。
『お前になにが分かるんだ』って。
特にスザクのこととか」

胸がえぐられたような気持ちだ。
穴があったら飛び込んでしまいたい。

「……まぁ、今思えばお前の『知ったふうな口』で助かった部分もあった。
スザクを生徒会に入れる時、お前の言葉が後押ししてくれたんだ。
『動くことをためらうな』
そのお前の言葉でな」
「うわぁ。まだ覚えてたの?」

ルルーシュが小さく笑った。

「覚えてるに決まっているだろう。
お前が来てまだそんなに経ってないんだ。
それに、出会った時のことは忘れたくても忘れられないだろうな。
俺の本名は口にするし、ギアスは効かないし、俺を蹴って散々振り回して。
こんな厄介な女がこの世にいるのかと思った」
「厄介な女……」

ルルーシュはやっぱりあたしのことをそう思っていたか。

「知ってたんだろう? 出会う前から」
「……知ってたって?」
「俺やギアスだけじゃない、スザクのこともだ。
最初から知っていたなら今までの事が腑に落ちる。
ホテルジャック事件は特にそうだ」

ルルーシュは歩きながら周囲を見る。
誰もいないか確認してから続けた。

「『言いたいのに言えないこと』
それを遠まわしで言ってくれたよな?
レジスタンスを一ヶ所に集めたら何時間で全員がそろうか、と。
シャーリー達を助けてほしい、と。
お前達が出かける先で何かあると思い至ったんだ。
集めた後で移動すれば案の定、ホテルジャック事件のニュースときた。
お前の遠回しの言葉は、その事件が起きることを知っていないと言えないことだ。
最初から知っていたんだろう?」

確信を持った瞳に言葉を失う。
ルルーシュの問いに答えたら、きっと話さないといけない。
知っている理由を全部。
どうしてあたしは、話したくないと思っているんだろう。
ルルーシュは足を止め、真剣な顔を向けた。

「知りたいだけなんだ、俺は。
責めはしない。否定もしない。
だから話せ。お前が胸の内に隠していることを」

『責めはしない』
そう言ってくれて、その言葉が一番欲しかったことに気づいた。
あたしは怖かったんだ。
話してルルーシュに責められることが。
未来を知ってるのに話さないのは卑怯だと言われるのが。

ルルーシュの言葉に、心が軽くなっていくのを感じる。
自然と口が開いた。

「わかった。順番に話していくね」

『コードギアス』のこと。
この世界に来たキッカケになった夢のこと。
それらを説明しようと思ったのに、ゾワッと背筋が粟立った。何かに引っ張られるような感覚に襲われる。
気を抜いたら、意識がどこかへ飛んでしまいそうだった。

「ごめん……!
ごめんね、ルルーシュ。
絶対、話すから。
本当のこと話すから────」

誰かが呼んでる。
そう感じた。

「────行かないと」

プツン、と意識が途切れた。


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