24-2 ルルーシュ編

ここを突破すればすぐに循環システムだ。
二人で駆けつければ、広い空間の一番奥にナナリーがいる。
空の姿はどこにも無い。マオが連れ去ったのだろう。

「ナナリー!」
「ナナリー!!」

ハッと顔を上げたナナリーは安堵の笑みを見せてくれた。

「お兄さま!! スザクさんも……!」
「ごめん、ナナリー。今すぐに!」
「待って! 上だ……!」

縛られたナナリーの元へ行こうとしたルルーシュをスザクが止める。
言われるままに見上げたルルーシュの表情が凍り付く。
ナナリーの真上の天井で振り子のように動き続ける物体を見つけたからだ。
それが何か、一目見ただけで理解した。

「爆弾か……!」

見計らったように携帯が鳴る。
電話に出ればマオの笑い声が一番に聞こえた。

『そうだよ、ルルゥ!
勝手についてきたクルルギまでは許すから、二人で頑張ってみてね』

また一方的に電話を切られた。

「ナナリー。僕達が爆弾を外す。
大丈夫、安心して。
僕とルルーシュが組んで出来なかった事なんてないだろ?」

スザクの言葉がナナリーの不安を払拭する。
彼女の表情が、信じて待つ落ち着いたものになった。

ルルーシュとスザクは互いに顔を見合わせる。
『一刻も早く助けて安心させよう』そんな気持ちで頷きあった。
ルルーシュは動き続ける爆弾を見上げ、ジッと観察する。

「……振り子爆弾か。
いつまでも運動が止まらないように、ソレノイドがエネルギーを与え続けている。
もし、それ以外の力が加わった場合、爆弾は……」
「……爆発する。
そして、おそらくナナリーを動かしても……。
そう考えたほうがいいだろうね」
「爆発した時の被害規模はわかるか?」
「半径500メートル以上は……」

なら、マオはギアスの有効範囲外にいる。
これが爆発した時、巻き込まれるのを避ける為だ。
タイミングの良すぎる先程の電話は隠しカメラでここを監視しているからだろう。

「ルルーシュ、解体の方法はわかる?」
「理屈はな……。
起爆装置から出ているラインを切断するだけ。
アイツは本職じゃないからダミーを割り出す事は可能だ。
しかし、他の方法を考えないと……」
「どうして?
区別さえつけば……」
「ごくわずかな揺れ幅の中であれを切断するのか? 人間業じゃない」

厄介な爆弾を仕掛けたものだ。
ルルーシュは内心舌打ちする。

「わかった。僕がやろう」
「簡単に言うな! 情報が少なすぎる」
「慎重なのもいいけどタイムリミットがあるんだろう?
それに、情報ならキミの目の前にある。
僕はこれでも軍人だ。
この情報は使えないかい?」

スザクの言葉は何ひとつ間違っていない。
時間が限られている中、悠長に考えてはいられないだろう。

ルルーシュは思い出す。
スザクが先程見せた運動神経を。

「ならスザク。
これから俺が指示する通りに動いてほしい」

スザクを信じよう。

 
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