結局意味のわからない意見のぶつかり合いはザンザスさんからのルッスーリアさんへの一言で終わりを告げた。
「……いつまでやってる。やれ」
「はぁ…。ボスの命令とあれば仕方ないわね。ほら、後ろを向いて頂戴。傷は背中にあるのだから」
「あ、はい。あの…さっきは言い過ぎました。ごめんなさい。あなたみたいな人と会ったのは初めての筈なだからつい…」
本当にびっくりした。
だって、話し方も声の高さもほぼ女性と同じだったから。
まさかあんな筋肉隆々な人が入ってくるとは思ってなかった。
「別にいいのよ。それより『筈』ってどういうことかしら?」
__シュルシュルシュル
包帯をほどき、状態を確認すると傷薬を塗り始める。
どうやら傷は右肩の方から左下の方へとバッサリ斬られているらしい。
……あれ?
何で『斬られた』なんて思ったんだろう。
「あら、だいぶ良くなってきたわね。でもまだ急に動いちゃダメよ」
「っ…はい。ありがとうございます。あと、筈なのは私にここに来る前の記憶が無い?からです」
「まぁ!!ボス……」
「…………本当だ。その事を含め、これから話す。他の幹部どもを呼んでこい」
「はぁーい
了解したわ」
手早く治療を終え、どこかに戻っていくルッスーリアさん。
どうやらそこに幹部の人たちがいるらしい。
……ん?幹部?
どこかの会社……いや、それはないかも。
もっと機密な機関なような気がする。
「えっと……あと何人いらっしゃるんですか?」
「……ルッスーリアを含めて7人だ」
「7人…」
それじゃあ、あと6回ビックリすることになるの……かな?
……心臓が持たないよ。
2粒 : 背中の傷