ま、ここは無難に……。
『マーモン』
マ「はぁ、いいよ。僕はこれから任務だからね」
『……助かる』
あっさりと部屋が決まる。
そして、何を思ったかマーモンという人物を知っている人物にとって衝撃的な言葉をいい放つ。
マ「フィオレ。僕のお金数えて入れといてね。場所は……うん。君なら一目でわかるね」
『…………よくわからないがとりあえず入れておけばいいんだな』
(((あの守銭奴のマーモンがお金を!!?)))
ベ「マ、マーモン。そんなこと言うなんて“らしく”ないよな?お金取られたりしないのかよ!?」
マ「フィオレはそんなことしないさ。何たって自分ですべてのモノを捨てたんだからね」
『…………褒め言葉として受け取っておこう』
確かに僕はすべてを凍らせた。
家も財産も【僕自身】もすべて、な。
だけどそれだけで任せてもいいものか?
既に同じことを何回も頼まれてやっていたりするが……。
金庫はその度に違う。一体いくつあるんだろうな。
マ「今までだった取ろうと思えば取る機会はいくらでもあったさ。そうでなければ僕が頼むと思うかい?」
『……僕が必要としているのはお金じゃないんでね』
フ「それってお金には困ってないってことですよねー?」
『…………昔はね』
この話は終わりとでも言うかのように、僕はマーモンを抱いて歩き出す。
途中、「お休み」と言い残して。
そう。僕が必要としているのはね、場所なんだ。
僕が居てもいい場所、迷惑が掛からない場所。
そして───死に場所。
だから探すんだ。僕を倒してくれる強者を。
17輪 : らしくない
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