口腔を遠慮なく探る指が、中を蹂躙するかのようにまさぐる指が。歯の羅列をなぞれば放し、次は頬の内側を押す。規則性のない動きはまるで体から離れた別の生き物のようだった。ぐにぐにと舌を押せば、反撃の意を込めてべろりと舐めてやる。びくりと意図的なのか、反応した右人差し指がゆっくりと引き抜かれてつうと糸を引き、ぬらぬらと薄暗がりで光る。何故かその光景が扇情的だった。馬乗りの彼の表情は逆光で見えない。きっと笑っているだろう。気付かせるために左手を甘噛みすればくいくいと関節を曲げ、まるで囚われた虫のような動きをした。離さない、と笑ってみせると軽く胸を叩かれた。上体を曲げ見えた彼の表情は少し不機嫌そうだ。両脇に垂れていた青い布を引っ張って顔を近付けさせ、唇を奪う。こんなことをしたって罰は当たらないだろうと。まるで自分に言い聞かせるみたいに、心の中で呟いた。







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