女の子はこんなにも柔らかいのか、と本当にそう思った。触れた指が埋もれていく錯覚。まるで触っていないような感触。吸い付くような肌触りは夢の中に出てくる女の子そっくりだった。確かめるように、壊さないように触れるのがこそばゆいのか身をよじる彼女の行動さえ愛らしい。ほんのり色づく頬は朱色をぼんやりと滲ませたみたいな色だった。薄桃色の唇から紡がれる言葉は熱っぽくて、やけに耳にこびり着いた。まるで情事を想わせるような彼女の熱っぽさは例えではなく、既に本物になっていて自制することさえもうままならない。
「永井さん、永井さん。」
彼女はそう笑う。ゆっくりと両頬に沿わされた手の触れた部分から溶けていきそうな感覚に蝕まれながら、まっすぐに見据える。睦言めいた話もこの場で語り合ってしまったらもう嘘ではないのだろう。子供をあやすように摩る手が愛しい。じんわりと熱くなる胸に今だけはと目を瞑った。






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -