これの続き
読んでなくても多分大丈夫です



「なあ、楽しいかそれ。」
不意に声をかけられた。何時の間に背後に回られたのだろう。どきっとしながら振り向くと沖田二曹が後ろに立っていた。それ、がいまいち解らなかったが沖田二曹がスコップを指さしているのでさっきまで地面を掘り返していたことであろう。ぼつりと面白くないですよ、とつぶやいた言葉は自分で出したにもかかわらず本当につまらなさそうに聞こえた。
「そっか。それ貸してくれないか?」
言われるがまま持っていたスコップを差し出すと沖田二曹は俺の隣に座り込み、地面を掘り返し始めた。さくっとスコップの先端が地面にめり込み掘り返すと湿った土の臭いがふわっと香った。大体人の頭が入りそうなくらいの大きさまで掘ると飽きたのか沖田二曹は立ち上がり俺の方を見た。
「この穴に何か入れとくか?」
楽しいことを見つけた子供のような笑みを見せ穴を指さす。ぽっかりと口を開けたように広がる穴は黒々としていて何だか飲み込まれそうだった。隣の沖田二曹を見ると相変わらず楽しそうに穴を見つめてはあれこれ穴に入れるものを算段しているようだ。
「これ、いれますか?」
うさぎ小屋から少し離れた場所に落ちていたお菓子の缶と、適当に見繕った綺麗な石を渡すと沖田二曹は嬉しそうにいそいそと缶の中に石を入れて穴を埋めていた。
いっそ俺の思いもこの穴に埋められたらな。と沖田二曹の居なくなった後に穴の跡を少し、疎ましく忌々しく思って、ぎゅっと踏んでやった。





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