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えっちが終わった後シャワーを浴びさせてもらい、スッキリ爽快な気分で雄飛の部屋に戻ってくると、雄飛はベッドに寝そべりくわっと大きなあくびをしていた。


「あ〜やば、眠い。無理、寝るわ。」

「えぇっ!?寝んの!?かまってよ!!」


せっかく会えているのだからいっぱい雄飛と遊びたくてべしべしっと雄飛の身体を叩いて目を覚まさせようとするが、間もなく雄飛からは「スー…、スー…」と気持ちよさそうな寝息の音が聞こえてきてしまった。

うわ、まじで寝たし。俺放置プレーされてる。もっとかまって欲しいのに。

…と思いながらも、気持ち良さそうに眠り始めた雄飛を起こすことはできない。少しだけだからな、と居眠りを許してやり、雄飛の身体にぴったりくっついて布団を被った。

はぁ〜…まあいいや、これはこれで幸せ。もっとくっついてやろう。匂いも嗅いじゃえ。

その後、雄飛の寝息を聞き続けていたら俺まで眠くなってしまい、結局俺も一緒に寝た。



次俺が目を開けた時には、すでに目を覚まし、俺の隣で寝転びながらスマホをいじっている雄飛の姿が目に入る。


「えぇっ!起きたのなら起こしてよ!」

「あ、おはよ。なっちゃん気持ち良さそうに寝てたから。」

「もう1時過ぎてんじゃん!!午前終わっちゃってる!!もう!!雄飛が寝たから俺も暇だし一緒に寝てただけなのに!!」


文句を言いながらも俺はただ雄飛にもっと構ってほしいだけだから、甘えるようにギュッと雄飛の身体に抱き付く。すると「はいはいごめんごめん」って全然心のこもってない謝罪をしながら、雄飛は俺の髪をわしゃわしゃと撫でてくれる。これだけで俺の機嫌が良くなることを雄飛は知ってるから、俺が文句を言っても雄飛の俺への扱いはいつも結構雑だ。


「…あれ?つーかなっちゃんまた勃ってねえ?」


俺はずっとピッタリ雄飛に抱きついていたら、雄飛はいきなりガシッと俺の股間を掴み、モミモミと揉み始めてしまった。


「ぎゃっ!!やめてやめて!!雄飛にくっついてたらすぐ勃っちゃうの!!」

「うわぁ〜なっちゃんの変態。」

「ひどい!雄飛のことが好きなだけなのに!」

「嘘嘘、ごめん冗談だって。俺も好きだよ。」


あッやば、嬉しい。
『好きだよ』って言ってもらえた。

雄飛はそう言ってモミモミと俺の股間を揉んだままチュッと唇を重ねてきたから、興奮してまたしたくなってきちゃった、どうしよう…?


しかし期待するような目で雄飛を見ていたのがバレてしまったのか、まだ何も言っていないのに「もう今日は無理だからな」って言われてしまった。


「えっ!!」

「いやいや、『えっ!!』じゃねえから。」

「そこは『しゃあねえな〜』って始めてくれるパターンかと思ったんだけど…。」

「いやもう今日ガチで疲れたから無理。」


…ばっさり、しかもかなり素っ気なく断られてしまった…。呆れられてる…、やばい、さすがに今日の俺の性欲バグってる…。自分にドン引き…。

うざがられてしまうのは嫌だからもうちゃんと大人しくしておこう…と雄飛の身体から手を離し、ごろんと雄飛とは逆側を向いたら、「おい、拗ねんなよ」ってポンポンと頭を叩かれる。


「拗ねてない、頑張って性欲抑えてる。」

「…さっきガッツリやったのにまだヤる元気あんの?やべえな。」

「引かないでっ!!」

「いや、引いてるんじゃなくて体力おばけだなと思って。今度からアダルトグッズでも使ってやってやろうか?」

「…え、やだ。雄飛のチンコがいい…。」


雄飛の言葉に、真顔でそう返事をしてしまった。今日の俺まじでやばいやつだ。これじゃあ雄飛のチンコ大好きマンじゃん。違うんだってば、俺は雄飛のことが好きなだけなのに。


「……ふっ、…そっか。じゃあ頑張ります。」


でも雄飛はやばい俺相手にも穏やかに笑って、そう言いながら優しく髪を撫でてくれた。あっ…好き。やっぱりまたえっちしたくなってきちゃった。

面倒なことに、雄飛に優しくされると俺の胸はきゅうぅっとして、その流れで何故か下半身までビンビンに反応してしまうのである。


まあでも考えてみれば確かに今日はもう2回ガッツリやっている。ランニングと筋トレもして、さらにあれだけ激しく腰を振った後ならば疲れていて当然だ。…最高だったもんなぁ、今日のえっち。

おっと危ない危ない、思い返すのはかなりまずいぞ。またやりたくなってしまわないように、俺は心を無にしてベッドから起き上がった。


「よし!じゃあ気分転換に甘いもの食べに行こう!」

「うわ、出た甘いもの。」

「嫌そうな顔すんな〜!!」

「つーかその前に昼飯食おうや。」

「うん、いいよ。じゃあその後食べに行こうね。」

「…はいはい。」


雄飛は嫌そうにしながらも、諦めたように笑って俺のわがままに頷いてくれた。雄飛優しい、まじで大好き。俺の大大大好きな彼氏様。


家で雄飛と一緒にいたらどうしてもえっちな気分になってしまうから、午後からは雄飛を近場のカフェに引っ張って行き、ケーキを食べ、大満足な一日を過ごした。


こうして俺の幸せな雄飛との春休みは、着々と終わってゆくのだった。


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