2* 奈知 [ 117/168 ]
雄飛が大学生になってすぐにコンビニバイトを始めてしまったため、学校とバイトで時間を削られて雄飛に会える日が思った以上に少ない。……ので、俺が思いっきりバイトを減らした。
ゴールデンウィークには俺のためにたっぷり雄飛に時間を作ってもらい、俺の家に呼び寄せて朝から晩までイチャコラする気満々だ。
それなのに雄飛は俺の家に来ると「なっちゃんのためにおもちゃ持ってきた」って言って、ローターとかいうエログッズを俺に見せつけながらニタリと笑ってくる。俺が想像してたイチャコラとなんか違う…。
俺にとってはお楽しみだった雄飛とのえっちなのに、雄飛はニタニタと笑いながら俺のケツの中にローターを入れて、スイッチをオンにしてくる。
「ひあっ…!!」
やだなにこれ気持ち悪い…!!!
俺の尻の中で『ヴィィィィン』と振動するローターにビクッとする俺を抱き寄せて、雄飛がチュッと唇を重ねてキスしてきた。
「ンン…ッ!ぁ…っ、あ…!」
まだおもちゃ入れられて、キスされてるだけなのに…!感じてしまったような声が出る俺をニタニタしながら見てくる雄飛に恥ずかしくなってくる。…でも、…意外とこういうのも嫌いじゃないかもしれない。やはり俺はなかなかのドM野郎なのかもしれない。
舌を絡めて、チュッと舌の先っぽを吸われ、その吸われた感触が気持ちよくてまたビクッとする。下半身も同時にビクッとする。
「あ…、あ…っ!」
俺のチンコからは我慢汁がダラダラに垂れ落ち、ぐしょぐしょになったソレを雄飛が握って扱いてくる。
「ひぁ…!ゃ…ッ、ン、ンン…!」
まだ本番が始まってもいないのに、ビクビク震える俺の身体を見て雄飛がニタニタと笑ってくる。キスを止められたと思ったら今度は俺の乳首に吸い付き、チロチロと舌先で弄ったあと、ズズッと音をさせてそこを吸ってきた。
「アァ…っ!きもちぃ…っ」
え?乳首吸われただけで?なにイキそうになってんの?やばいって…、俺これだけでイっちゃうの?やだ、まだぜんぜんセックス始まってないのに…!!
乳首を口で、ケツをローター、雄飛の手で亀頭まで刺激され、早くもピュッと射精してしまった俺は軽く絶望する。
「はぁ…、はぁっ…、やだぁ…っ、はやく、」
俺は雄飛のを挿れてほしいのに、って思っていたら、雄飛はいまだにニタニタしながら俺のケツからローターを引き抜いた。
「はい、準備運動完了な。」
「なに、ッ、それっ!」
はぁっ、はぁ、と息継ぎしているとローションで濡らした中指と薬指を俺のケツに入れてグニグニと擦るように中を刺激してきた。
「な…、なんで指なの?…ひぁっ…!」
「ククッ、なっちゃんかわいい。中敏感になってる?」
「ンン…っ、ひどい、ゆぅひ焦らしてるでしょ…!」
多分そう思ったのは当たりで、雄飛は「ククク」と笑いながら指を抜き、ようやく中に俺の待ち侘びていたモノを入れてくれる。勃起した大きい雄飛のソレが俺の中を出入りし、やっと幸福感に満たされる。硬い。あったかい。大好き。もっとガツガツ中を突いてほしい。
「あぁ…っ、ぁっ、きもちぃっ」
奥を擦られる感触がたまんなくて、雄飛に抱きつきながら無意識に俺の腰も揺れる。激しく奥を突かれながら首筋を噛みつかれ、一瞬ピリッと痛みが走ったが、その痛みすらなんか気持ち良く感じてしまった。
「はぁ…、はぁっ…」
雄飛は毎朝ランニングをしているらしいけど、そのおかげかまだまだ余裕がありそうで小さな息遣いが俺の耳に届く。
俺の太腿に手を乗せて、グッと俺の尻を引きつけながらパンパンパンと腰を打ち付けられ、そんな時間が暫く続き、気持ち良過ぎて俺は口が半開きになりながら喘ぎまくりのイキまくりだった。
腹の上はぐっちょぐちょの俺が出しまくった精液で汚れ、雄飛はその俺の汚れた腹を満足そうに見下ろしている。
「俺の体力もちょっと戻ってきたな。」
受験が終わってもう勉強机に長時間縛られることもなくなり、毎朝ランニングしたり筋トレしていたらそりゃあ体力も戻ってくるだろう。でもなんで勝ち誇ったような顔で俺を見るの?俺が疲れてぐったりしてるから?俺はなにも競ってないよ。俺はただ雄飛とイチャコラセックスがしたいだけ。
でも甘いよ雄飛、俺はここからが本番だと思ってるよ。もっと激しくしてくれてもいいんだよ。こんなので満足しないでね。…って、俺はやや疲れてはぁはぁと息を吐きながらも雄飛の身体を押し倒した。
「あっ…!てめえ…!」
えぇ…、なに『てめえ』って…。なんで格闘技してるみたいな態度取るの?もっとイチャコラしようよ。っていう気持ちで雄飛の唇にキスしに行ったらガシッと顎を掴まれた。
「待て待て、一旦待ちな。」
「なんで…?」
「ゴム捨てる。」
「チッ…」
「あ?なっちゃん今舌打ちした?」
あれ?俺今舌打ちしちゃった?無意識だな。だって雄飛がえっちなムード中断させちゃうから。
雄飛は一回目終わったと思ってるかもしんねえけど俺はまだまだ続いてるんだよ。早く続きして、って促すように雄飛の身体に抱きついたら、雄飛はちょっと呆れたような顔をしながら「なっちゃんやっぱつえーな」って言ってくる。
「なにが?つよくないよ。」
「強いよ。せっかく準備運動したのに全然へたばってねえじゃん。」
「ひぁあぁ…!それくすぐったい…!」
雄飛の手にはいつの間にかまたローターが持たれており、俺のチンコと一緒に握ってきた。…あぁっでもこれはこれで結構好きっ…!もっと触って、もうなんでもいいからとにかく触って。俺は雄飛にもっと触られたい。
結局は雄飛になにをされても好きな俺は、ローターを乳首や下半身のあちこちにあてがわれながら遊ばれ、一人でビクビクする。雄飛はそんな俺を見てニタニタと笑っている。
そうしているうちに二回目をする気になってくれたのか、雄飛は俺の亀頭をローターで刺激しまくりながら中に挿入してくる。
「ひぁあ…!あンっ!!や…ッ!あぁ…っやだそれきもちぃっ…!あッ…!イクイクイクっ…!」
パンパン…!ヴィィィン…!と刺激を与えられまくりの俺の下半身は見事なまでにイキまくり、気付いた時には精液ではない、チョロチョロとおしっこのようなものが流れ出ていて、気持ち良すぎて頭イカれて死ぬかと思った。
「ぁ…っ、あンっ…、ぁっ…、やばぃしぬ…。」
「うわすっげ、…俺潮吹きした子初めて見た。」
……ん?雄飛なんか言った?
ボソッと呟かれた雄飛の声は自分の息継ぎする声の方が大きくてあまりはっきり聞き取れず。
ゴールデンウィークの初日から念願のめちゃくちゃ激しいセックスして、疲れて昼寝して起きたら適当に飯を食う。
でもまた夜になるとしたくなってきて、雄飛におねだりしてしまったのはここだけの話。雄飛は「いいよ」って頷いてくれたから、夜更けまでたっぷり雄飛との行為に没頭した。
雄飛との付き合いも早くも二年が経ち、今の俺はすっかり雄飛大好きセックス大好きなドM野郎になってしまっている。
雄飛にだけは見せられる姿でも、他の人には内緒にしていてほしいと思う、我ながら恥ずかしすぎる姿だ。けれどどうしても我慢できないから、俺は雄飛に会えば毎回毎回、鬱陶しいくらい雄飛を求めてしまう。
今の俺は、航を求める矢田くんの気持ちが痛いほどによく分かる。俺と矢田くんの重さって、結構いい勝負なんじゃねえの?…って、最近密かに思っている事であった。
変わりゆく彼らの様子 奈知編おわり
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