9 イチャイチャしたい [ 9/50 ]

学校の下校時間である18時を少し過ぎた頃、そろそろかなって思っていたインターホンの音がリビングに鳴り響いた。


「あっ七宮くん来た!?」

「なんで楓ちゃんが行くんだよ!俺が行くって!」

「私も行くっ」

「うざいって!!!」


ドタドタと玄関の方に走っていった楓ちゃんを追い抜かして扉を開けに向かったが、鬱陶しいことに楓ちゃんも来てしまい、玄関の扉を開けて柚瑠を迎え入れると、楓ちゃんも「いらっしゃ〜い」と柚瑠に向かって笑顔で両手を振っている。


「あ、お邪魔します。お姉さんもう着替えたんすね。」

「うん、真桜くんに見苦しいから早く着替えろって言われちゃった〜。」

「さっき大変でしたよ、バスケ部の奴らに真桜の彼女かとか聞かれて。知り合いって言っときましたけど。」

「柚瑠、楓ちゃんがごめんな?この人頭おかしいからほっといて。」

「おかしくないよ!」


楓ちゃんと喋ってないでさっさと二人になろう、と柚瑠の鞄を引っ張り二階の俺の部屋へ促そうとすると、楓ちゃんまで二階に上がってこようとする。


「楓ちゃんは下に居ろよ!!」

「なんで!?」

「なんでって!…空気読め!!」


そう言った瞬間、楓ちゃんは「あぁ!」とハッとしたようにオッケーオッケーとウインクしてくる。


「邪魔しちゃ悪いし姉ちゃんは下にいるね!」


一言余計なんだよ、黙って行け。と楓ちゃんにシッシと手を払っていると、柚瑠が不思議そうな顔をしてリビングの方に去っていく楓ちゃんの後ろ姿を目で追う。


「真桜お姉さんになんか言った?」

「ん?なんかって?」

「俺らのこと。」


部屋の中に入ってすぐ、電気も付けずに扉を閉めてハグをする。柚瑠に問いかけられたこともサラリと聞き流してしまいながら、柚瑠に触りたくて触りたくて柚瑠の首筋に鼻を押し付け息を吸ったら、柚瑠は「ん…」と少し声を出しながら身じろいだ。


そんな声だけでもすぐ興奮してしまう俺は、もっと声を聞きたくなってしまい、柚瑠の腰にギュッと腕を巻き付けながらキスをして、ペロッと柚瑠の唇を舐める。

腰から手を下に移動させ、お尻も触って、このまま柚瑠とえっちもしたい。


それなのに下に居る楓ちゃんの存在が気がかりで、部屋の電気を付けるのでさえも躊躇う。けれど柚瑠の顔が見えないのは嫌で、結局顔が見えるくらいの薄暗さで電気を付けた。


「柚瑠とえっちしたい…。」


できないと思えば思うほどしたくなって、ベッドにもたれ掛かりながら絨毯の上に腰を下ろした柚瑠に抱きついて、肩に頭を置きながらそう口にしたら柚瑠にクスッと笑われた。


「でもあのお姉さんいつドア開けるか分かんねえよな。いきなり部屋入ってきそう。」

「うん…。入ってくる…。えっちするから来んなくらい言っとかねえと入ってくるかも。」

「それもうダメだろ。」


柚瑠はそう言って笑いながら、俺の髪を撫でてくる。優しい手付きで触られると、柚瑠に甘えたくなってくる。


「…でもちょっとくらい触りたい。」


柚瑠のシャツの中に手を入れて、乳首をクリクリと摘んだら、柚瑠は伸ばしていた片足をもじっと動かした。


「普通に俺もやばい、溜まってるわ。」


吐息混じりの柚瑠の声が、俺にはやばい。乳首を触り続けていたら「ハァ…」とだんだん荒くなっていく柚瑠の息遣いに興奮する。

シャツから手を出し、そっと柚瑠の股間に手を伸ばしたら、そこはもう硬く勃起していた。


「…触っていい?」

「…いいよ。触って。」


柚瑠は身体の力を抜き、だらんとベッドにもたれ掛かって、頭を布団の上に置いた。

もう何もしたくなさそうに目を瞑っているから、俺は柚瑠が穿いているジャージとパンツを少しだけ下げて、そっと柚瑠の性器を握る。


そりゃ部活後で疲れてるもんな。疲れてるのにわざわざ俺の家に来てくれて、せめて良い気持ちになってから帰ってもらいたい。


ゆっくりとそれを上下に扱いていると、先っぽから溢れ出る液体が俺の手と柚瑠の性器を濡らし、徐々にクチュ、クチュ…とやらしい音が部屋に響き渡る。


「…ハァ、…ッ、きもちぃ…。」


うぅっ…おれもやばい、柚瑠可愛い…、ちんこ痛い…。


くぅっ、と自分の股間を押さえながら柚瑠の性器を扱き続けていると、柚瑠は途中で目を開けて、色っぽすぎる表情で頭を上げて、俺の顔に近付けてきた。


そしてチュッとキスをされ、息が荒い柚瑠が自分から俺の口の中に舌を入れ、絡めてくる。やばい気持ち良い、自分のは触ってもいないのにイキそうになる。


「…ッ、…ぁっ」


柚瑠はそんなキスの途中で、ビクビクと身体を震わせながら、俺の手に精液を吐き出した。


「ハァ…ハァ…」と息を吐いている柚瑠からそっと距離を取り、俺の手のひらについた柚瑠の精液をティッシュで拭う。

そんな中俺は、自分のパンツの中がぐしょぐしょでやばいことになってる自覚が大有りで、一刻も早くトイレに行きたかった。


しかしそれを柚瑠に悟られるのは恥ずかしい。
柚瑠のエロい姿見てるだけで興奮してるなんて、…まあいつもだけど。


「ちょっと手洗ってくるね。」


そう言ってしれっとトイレに行き、また二階に戻ろうとしていると、リビングでゴロゴロしている楓ちゃんがニヤニヤしながら「なにして遊んでんの〜?」と声をかけてきた。


「…べつになんも。喋ってただけ。」

「ちょっとくらいいい感じになったりしないの〜?」

「…んん、微妙…。」

「え〜、がんばんなよ〜。」


うるさいな。楓ちゃんが居なかったらえっちするのに。…って応援してくれてる姉に向かって悪いけどムカッとしながらまた2階に上がった。


柚瑠は俺のベッドの上に寝転がって、うとうとと寝そうになっている。…え、可愛い…。チューだけさせて、まじで。それ以上は我慢するから。

…って、目を閉じて寝転がっていた柚瑠に覆い被さって突然チュッ、チュ、とキスを繰り返したら、柚瑠はクスッと笑いながら黙って俺の満足するまでキスさせてくれた。


結局、楓ちゃんがいきなり部屋に入ってくるかも、とか言って怯えつつ柚瑠とイチャイチャするのは我慢できなくて、2階に上がってくる足音が聞こえてこないか耳を澄ませながら、柚瑠に触りまくっていた。


イチャイチャしたい おわり


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