14 [ 14/100 ]




公式戦が終わり、球技大会も終わったかと思えば、すぐに中間テストの時期がやってくる。


放課後真桜の家で勉強するのは今となっては恒例で、さらに土日は泊まらないか?と真桜に言われたため、俺は土曜の昼過ぎから真桜の家にお邪魔していた。


家の人は留守で、テスト勉強会という名目でお邪魔しているはずが、真桜の魂胆は見え見えだ。


「久しぶりに柚瑠とずっと一緒に居れる。」


真桜の部屋に入って早々、そう言って後ろから俺を抱きしめてきた真桜の手つきは、なんか、もうやらしい。テスト勉強なんかまったくやる気が無さそうだ。


シャツの裾から両手を入れられ、腰と腹を弄る手が早くも乳首にまで上がってきて、俺は絨毯の上に腰を下ろそうとしているのに座るのも精一杯で、キュッと乳首を摘まれながら、ようやく床に膝をつけた。


「…ちょ、座れねえ。」


真桜が膝立ちで俺に触ってくるから、必死に座ろうとしている俺の格好はなんとも無様だ。

真桜の手のひらが俺の腹にべたっと触れていて、もう片方の手がバスパン越しに俺の股間を撫でた。

チュッ、と首筋にキスを落とされ、俺はあちこちから感じる真桜の感触に、ふらりと体勢を崩し、絨毯の上に手をつく。


俺の腹の上でさわさわと動く真桜の手の親指は乳首にも触れており、クリクリと親指で刺激を与えられる。

首筋にチュッ、チュ、と何度も繰り返されるキスは、次第に耳の下、頬、そして唇、と順番に移動していった。


「俺すげー我慢してたんだよ。柚瑠に触るの。」


耳元でそんな甘えた声を出した真桜が、股間に触れるのをやめてまた両手で俺の腹と腰を弄り始めた。


シャツが胸元まで捲り上げられ、露わになった俺の乳首に、真桜がチュッ、と吸い付く。


真桜のサラリとした髪が肌に当たってくすぐったい。

チュ、と吸っては舌先で舐められ、真桜の唾液で自分の乳首がびちょびちょになっていて笑いそうになる。


「その舌先でやられんのやばい。」

「ん?」

「そう、それ。…まじで性感帯。」


チロチロ、と小刻みに動かされる真桜の舌先に、俺は絨毯を見下ろし、「はぁ」と息を吐くと、真桜は乳首を舐めるのをやめて俺のシャツを脱がしてきた。


上半身を裸にさせられ、カーテンが閉じたままの明かりもつけない薄暗い部屋で、こんな雰囲気はもうこの後性行為が行われそうな空気をひしひしと感じる


「…綺麗だなぁ、柚瑠の身体。」


…だから、綺麗ってなんだよ。って、俺は真桜の好むことがほんとに理解できない。


膝立ちで俺の正面に移動してきた真桜が、俺の肩に手を置き、俺を押し倒した。

俺の片足に跨り、顔の横に手をついた真桜が、キスをする。舌で口をこじ開けられ、奥の方へ引っ込んでいた俺の舌を絡め取られる。


「…ん、…ぁ、」と真桜の口から漏れる声がやたら色っぽくてゾクゾクする。


舌が解放され、「チュ、」と唇に吸い付かれた後、「…ゆずる、」とうっとりするような表情で呼ばれた時には、俺も自分でも気付かないうちに真桜の腰を両手で掴んでいた。


真桜が俺に触れるように、俺も真桜のシャツの裾から手を入れ、腰から背中にかけてを両手で直にゆっくりと触った。


さりげなく俺も服を捲り上げながら真桜の胴体に触ると、真桜の細身の腹と腰がチラリと俺の視界に映る。


運動をしてるイメージもあまりないし、なんとなく予想できた腹筋があまり無い真桜の腹は、無駄な脂肪も無くすらっとしていて綺麗だ。これが正しい『綺麗』の使い方だ。


「…ちょ、…恥ずい。」


人のは服まで脱がせて触りまくるくせに、俺が真桜の腹を触っていたらシャツの裾をクイッと引っ張って下ろそうとしている。


「俺のシャツ脱がしたやつが言うセリフかよ。」

「…いや、だって、…俺腹筋全然ねえし…。」

「知ってるって。腹筋無いのが悪いことではないだろ。」


そう話しながら、また俺は真桜のシャツを今度は強引に捲り上げると、真桜は諦めたように腹を晒しながら俺にキスをしてきた。


やられっぱなしも俺の性分には合わず、真桜の乳首も親指でクリクリと触れてみると、ピクッと揺れる真桜の身体。もう片方の手を背中に回して撫で回すと、真桜は「ハァ、」と赤く火照った顔で熱い息を吐きながら俺を見下ろした。


「…柚瑠とえっちしたい…。」


真桜のそんな発言は、自分でも想定していたものの、いざその言葉に応えてやろうとすると、何をどう始めるべきか…困惑しながら俺は無言で考えた。


[*prev] [next#]


- ナノ -