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「…真桜って童貞?」
俺はジー…とそのやたらイケメンな顔を見つめながら問いかけた。真桜の当初抱いていた“チャラい奴”という印象からはかなりかけ離れた人間だと言うことが分かったが実際過去の真桜の恋愛遍歴までは分からない。
けれど真桜は、ちょっと恥ずかしそうに唇を尖らせてコクリと頷く。別に恥ずかしいことでもないと思うけど聞かれたくなかったのかな。嘘ついてるようにも見えないし、本当にそうなのだろう。
「…え、…柚瑠は?」
「あ、俺もだけど。」
中学の時から今までずっとバスケ三昧だったし、正直セックスなんて大人になったらいつかするだろ、みたいな考えだった。
「…よかった。」
俺の返事にホッと安心するように笑みを浮かべる真桜。申し訳ないが俺は真桜が経験済みの方が少し安心できたかも、なんて思ってしまったが心の中に留めておく。まあすでに経験済みだったらそれはそれで複雑でもあるけど。
「ちなみに真桜は俺に挿れたいんだよな?」
なんとなく真桜からはそんな感じがして、一応確認、って意味で聞くと、今度は口元を緩ませてまたコクリと頷いた。かわいいやつ。
「…柚瑠は嫌?」
「…あー…まあいいよ…。俺真桜に嫌?って聞かれて嫌って言えないわ。」
ハグの次はキス、キスの次はセックスか。って、そりゃそうくるわな。と脱力気味に笑うと、真桜はゆるゆると締まりのない顔でチュッとキスをし、「柚瑠大好き。」と俺を胸に抱き抱えた。
真桜の硬くなっている股間が俺の下半身に触れ、俺は思わず笑いながら真桜の股間に手を伸ばす。
「まずは我慢する練習だな。」
「…あ、…やべ。」
ズボンの上からもみもみと揉んだだけで、口に手を当てて焦り出した真桜。俺は真桜の身体から少し距離を取り、ジー、も真桜のスボンのジッパーを下ろした。
パンツの中から勃起した真桜の息子を取り出す。形が良く、綺麗でイケメンな上にここもイケてんのかよ、と少し嫉妬してしまいそうだ。
親指の腹で亀頭をクリクリと触ると、真桜はピクッと身体を震わせ、上目遣いで俺を見る。
「ダメだぞ、まだ我慢しろよ。」
ほんの少しの刺激だけでイかせるものか、と先端を指で押さえる。しかし先走り汁でヌルヌルと指が滑り、チュッと唇を寄せ、その汁を吸い取った。
「ッ…!」
ピク、と反応する真桜に、また先端を握りながら指で押さえつける。「…はぁ。」と息を漏らしている真桜を眺めながら、握っていた手を少し緩めて上下にゆるゆると動かした。
「…あ…ッ、ゆずる、イきたい…ッ」
「早いってば。まだダメだって。」
また手を止めて先端を握ると、眉を顰めて俺を見る真桜。かわいい顔をしてもまだダメだ。
「そんなんじゃいざえっちした時楽しめないぞ?」
「…、ッ…、ハァ…。」
無言で熱い息を漏らして必死に耐えようとしている真桜に、俺はまたゆるゆると手を動かした。
しかしさすがにもう限界が来てしまったようで、ピュッと溢れ出てしまった精液。
あー…もうちょっと頑張って欲しかったけど、可哀想だから仕方ないか。って、俺は真桜のモノの先っぽを咥えてズズ、と吸い付くと、「あ…!ンっ、」と声を漏らして、真桜は俺の口の中で我慢しきれなかったものをドクドクと吐き出した。
「…ぁ、…ハァ…、」
呼吸を整えている真桜にジッと俺の顔を見られているが、俺は構わずシャッと箱の中からティッシュを1枚取って、ペッと口の中のものを吐き出した。
真桜はそんな俺を物凄く何か言いたそうにジロジロと見ている。
「前よりちょっとだけ進歩したな。」
ちょっとだけどな。と心の中で呟きながら真桜ににっこりと笑みを向けると、真桜はムッとした顔で何も言わずに俺からそっぽ向いた。
「ん?真桜?怒ってんの?」
「…がんばるし。」
どうやら怒っているわけではないようで、単に恥ずかしいだけなのかもしれない。
「…次は俺が触る。」
そしてそう言いながら俺の方にムッとした顔のまま迫ってきた真桜。恥ずかしいというか、触られるより触る方が、もしかしたら真桜は好きなのかもしれない。
身体を押し倒され、キスをされ、また振り出しに戻ってしまうのだった。
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