週末、ふたりのお酒タイム [ 45/87 ]


翌日が休みの土曜の夜は、お酒とおつまみを用意してるいと二人でぷち飲み会だ。居酒屋も良いけど、やっぱり二人きりでいちゃいちゃしながら飲む酒は最高である。

夕飯はテーブルで。
でも、お酒とおつまみはリビングのソファーで。

テレビを前にして乾杯。
一週間お疲れ様でした〜。みたいな。

映画なんて見ながらのお酒もまた、格段にうまい。


るいはカクテルが好きで、よく美味しそうなものを見つけては買ってくる。あとワインとかも。でも俺はワインは苦手で、ビールを飲むことが多い。


「ッは〜、うめえ〜!」


ビールを一口飲んでから、たこわさを食べる。

今日も絶好調で、俺とるいの宴が始まった。


「あっこれすげえ美味しい、飲んでみる?」

「んーじゃあ一口だけ。」


るいが飲んでいたのは白ワインで、グラスを差し出されたから一口飲んでみたが、やっぱりワインは苦手。


「んべえ」

「えーだめ?このワインそんなに苦くなくね?」

「んー、びみょー。」


ワインの苦味にべー、と舌を出すと、るいはちょっと残念そうにワインに口をつけた。

俺はまたパクパク、とたこわさを食べた。


だんだんお酒を飲むペースが速くなっていくにつれ、ふわふわとした気分になり、るいの肩に寄っ掛かる。


チータラを持っていたるいが俺の口元にチータラを差し出してくるから、パクリと口に含み、モグモグと食べた。


「これ見ても良い?」とDVDケースをるいに見せられ、「うん。」と頷くと、るいはソファーから立ち上がり、DVDプレイヤーにディスクをセットする。

るいとの映画の趣味は残念ながら合わない。


再びソファーに戻ってきたるいに、また凭れかかる。またチータラを口元に差し出されたから、パクリと食べた。

口の中のチータラを食べたら、またビールを一口。


「る〜いきゅん、あ〜。」


映画を見るのは良いけど、あんまり集中されるのも嫌で、今度は俺がチータラをるいの口元に差し出せば、るいは「あ〜」と口を開け、チータラを食べてくれた。


モグモグ、口を動かし、俺の肩に腕を回してくる。


それから、俺の口元に顔を寄せ、「チュッ」とキスをしてくれた。


「くふふ、チータラ味のキス〜。」


とか言って、るいの口の中に舌を入れると、絡まる俺の舌とるいの舌。

まじでチータラ味だ。


チュッ、と唇を離す寸前に、俺の口の端をるいが舐め取る。


ふわふわと良い気分になったら、無意識にるいの胴体に抱きついてて、るいはそんな俺の頭をよしよしと撫でながら、ワインを飲んで映画を見ていた。


「る〜い〜こっち向いて〜。」


だんだん映画に集中しているるいが嫌になってきて、るいの顔面に手を伸ばす。

すると、また俺の口元に唇を寄せてきたるいが「チュッ、」とキスをしてくれた。


「ん〜、もっと〜。」


もっと、もっと、とるいの顔面に手を伸ばすと、るいは俺の後頭部に手を添えて、チュッチュと何度も角度を変えてキスをしてくれる。


だんだんそのキスは、下へ下へと降りていき、るいはそこでピッとリモコンのボタンを押して、映画を停止した。


僅かに火照った顔をしているるいだが、恐らく俺の顔はそれ以上に赤いだろう。


るいも少し酔っている、ということは今の俺には分からなくて、そんなるいにドサッとソファーに押し倒され、それからはお決まりのコースである。


週末、ふたりのお酒タイム おわり

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