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湯船の中で永遠くんを股の間に座らせて、俺の身体にもたれ掛からせ飽きずにその寝顔を眺めていたら、途中でハッとした永遠くんが目を覚ました。


「うわっ…、ごめん寝てたわ。」


とろんとした目で振り返られ、かわいすぎてつい笑みが漏れる。


「身体大丈夫?」

「めっちゃ痛い。…あっ、ううん大丈夫。」


わざわざそう言い直してきた永遠くんは身体をくるっと俺の方に向け、ぐったり俺の身体に抱きついてきた。咄嗟に痛いって言っちゃったけど言い直したのは俺に気を遣ってくれてるからかな。

永遠くんの背中に腕を回し、もう片方の手でなんとなく撫でやすい場所にあった永遠くんのお尻を撫でたらなぜかカッと顔を赤くされてしまった。ちょっと変態くさかっただろうか…。


「こぉせーくんが中に出してきたときの感触思い出した…。あれが一番気持ち良かったわ。」

「えっ!?」


まさかそんな感想をもらえるとは思わず、ぼそぼそと話す永遠くんに言われた言葉は聞き間違いかと耳を疑ってしまった。でもその後永遠くんは「も〜どうしてくれるん」と俺の頬をぺちっと叩いて怒ってくる。


「え、…なにが?」

「俺が中に出されるん好きになってしまったら。」

「えっ…と、それは…俺としては大歓迎なんですけど…。」

「一発目やったらもっと勢い良くびゅびゅっていっぱい出てたんかな?」

「……そんなに中に出されたいの?」

「だっ、だって気持ちよかったんやもん…っ」


俺には分からない感覚を聞いただけなのに、恥ずかしかったのか永遠くんはまた顔をカッと赤くしながらそう言い返してそっぽ向いた。もう何してもなに言ってもかわいい。俺を喜ばせるためにわざと言っているのだろうかとさえ思えてしまう。


「それじゃあ次のえっちではもっといっぱい永遠くんの中に出していい?」


調子に乗った俺は、永遠くんの返事が『いい』と分かってて聞いたはずなのに、永遠くんは俺の肩に頭を乗せ、そっぽ向いたまま「ん〜」と考えるような態度を見せてきた。


「えぇ?だめなの?じゃあいいや。」

「あぁっ!待って!嘘!」


でも俺のコロッとすぐ諦めるような反応に慌ててこっちを向いた永遠くんは、そう言いながら俺のご機嫌取りするようにチュッとキスをしてくる。


「嘘やで?いっぱい出してな?こぉせーくんが俺の中でイッてるって分かる時が俺一番好きやわ。」


すりっと頬を首筋に擦り付けながら甘えるようにそう言われ、俺は正直今この瞬間もまた永遠くんに欲情してしまいそうで耐えるのに必死だった。寧ろまたヤられたくてわざと言ってるのか?と、俺はそんな調子の良いことばかり思ってしまうのだった。



浴槽に溜まったお湯がぬるくなってきたところでそろそろ出るかと湯船から出て、シャワーで身体を洗ってからバスルームを出た。

行為をする前はまだ薄暗かった外の景色もすっかり暗くなっており、時計を見るともう8時を回っている。


「永遠くんご飯どうする?何か食べる?」

「ん〜そうやなぁ…。光星はどうしたい?」

「俺は永遠くんに合わせるよ。下のコンビニで何か買って来ようか?」


バスルームから出てくると、服を着る俺の横で永遠くんはパンツだけ身に付けてベッドの上にぐったりし始めてしまったから、そんな提案をすると「ほんま?いいの?」って少し身体を起こして聞いてきた。


「いいよ、ゆっくりしてて。何がいい?」

「なんか麺類さらっと食べたいなぁ。冷麺とか!」

「オッケー、ちょっと待っててね。」


そう言って財布を持って、永遠くんを部屋に残して出ていこうとしたら、ベッドにまたごろんと横になった永遠くんから「こぉせ〜ありがとう、だいすき」と投げキッスを飛ばされる。

ああもうかわいい。
はいはい、もうかわいいなぁ。

我ながら抑えきれないデレデレした顔で部屋を出て、なんとかそんな顔を他人に見せないように顔を引き締めてコンビニへ向かう。


永遠くんに頼まれた冷麺と、あと自分のご飯や飲み物を適当に買って部屋に戻ったら、永遠くんはベッドの上で布団をかぶってスースーと寝息を立てて眠っていた。


「永遠くんご飯買ってきたよー…」


朝が早かったのもあってかぐっすり眠ってしまっており、起きる気配が無かったから、買ってきたものを冷蔵庫にしまって永遠くんの眠る方へ歩み寄った。

布団を捲って、そっと永遠くんが眠る横に添い寝する。ジッと永遠くんのかわいい寝顔を見つめていたらついつい髪を撫でてしまい、永遠くんの目がゆっくり開いた。

「んんっ」と声を出しながら俺を抱き枕代わりにするみたいに抱きついてくる。


「永遠くん、ご飯買ってきたよ。」


もう一度そう声をかけながら顔を覗き込むが、とろんとした目で俺を見上げて、何も言わずにすりっと俺の胸元に頬を押し付けられた。

起き上がるのがめんどくさそうだな。お腹減って無いなら寝てても良いけど。

俺はお腹減ったから先に食べさせてもらおうかな。って、布団の中から出ようとしたが、ぎゅっと永遠くんの腕が巻きついていて出られなかった。


「俺先にご飯食べてるよ?冷蔵庫に入ってるから永遠くんもお腹空いたら食べてね?」

「…んんっ、…嫌。もうちょっとだけ…。」


『嫌』…!?まさか嫌って言われるとは思わず身動きが取れずにいたら、それから1時間くらい永遠くんは俺を抱き枕にしながら眠り続けた。


結局ご飯を食べるのは10時頃になり、永遠くんはのっそりした動きで起き上がり、ハイハイで布団から出てくる。


「….身体大丈夫?」

「んん…ねむい…。」


ベッドに腰掛けそう話しながら、鞄の中からシャツを取り出してだらだらと服を着ている。

とにかく眠そうだったから、ご飯を食べて歯を磨いたら、永遠くんはまたすぐにベッドの中に戻っていった。


「こぉせーくんも早く来て。」


軽く荷物整理をしていたら永遠くんにそう声をかけられ、また永遠くんに添い寝する。そうして俺たちは、そのまま朝を迎えたのだった。


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