湊はえろいことしたい [ 18/20 ]
「俺らさあ、付き合うっつっても前とあんま変わんねえよなあ。」
相変わらずの甘党である湊が、今日も美味しそうにケーキを食いながら突然何を思ったのかそんなことを口にした。
「あー…つか俺お前の身体が心配。ここんとこ毎日ケーキ食ってね?」
「昨日は食べてねえよ。」
「あれ?そうだっけ?」
ちなみに今日は俺の家では無く湊の家にお邪魔している。親が旅行中で不在だから、と湊に誘われて今夜は泊まらせてもらうことにした。
よくよく考えてみればこれってかなりチャンスじゃ!?ってハッとしたのは窓の外が暗くなってきた頃だった。
湊の家に泊まることなんてしょっちゅうだから、何も考えず準備もせず泊まりに来てしまったのだが。
「てか話そらすなよ!俺らにはさ、ムードが足りねえんだよ。」
「…おお、それは確かに俺も思った。」
「だろ?お前分かってんの?今夜はやりたい放題なんだよ!」
……あ、やっぱ湊もそういう事考えて誘ってくれたんだ。って思ったら、なんか急に照れてきた。
「…だな。」
「これも買ったしな。」
湊がそう言っていつのまにか手にしていたものは、なんとコンドームだった。
「…え、お前いつのまに…」
「興味本位で前に1箱買ってみた。」
「興味本位って…。まあ湊なら普通に買えそうだよな。童貞には見えねえし。」
「は?失礼だろ。人を見かけで判断すんな。」
ムッとした湊がコンドームの箱を俺に向かって投げつけてきた。ポコッと音を立てながら俺の腹に当たって床に落っこちたコンドーム。
俺はそれを拾い上げ、中身を取り出してまじまじと見つめる。
「…うわー、これつけんのか。」
「つけたことある?」
「おい、聞くなバカ、俺は童貞だぞ。」
「いや、練習とかしたことあるかなって。」
「は!?ねえし!!湊つけたことあんのかよ!」
「ねえけど。」
…あ、良かった。改めて聞いたことって無かったけど湊も童貞だよな。彼女いたことねえしな。うん。良かった…。
ホッと安心しつつ、そういや今日俺らまじでヤんの?って俺は心の準備がまだできてない。
「ところで、さ、俺らえっちするとしてこれつけんのどっち…?」
そうそう、俺はずっとこれが聞きたかった。
俺らどっちも男な以上、どちらかが受けに回らなければいけない。
俺は正直、湊を抱きたい。
今までずっとそう思ってきた。
自分が抱かれる側になることは少しも頭にない俺に、湊は答える。
「翼がつけたいならつけていいよ。」
意外にもあっさりとした返事だった。
もっと揉めると思ったのに。
「え、…いいの?」
「…うん。俺は翼と、えろいことできたらなんでもいい。」
湊は珍しく、少しだけ照れたように俺から顔をそむけて言った。
突然デレる湊が、可愛くて今すぐにでも抱きたいと思った。
湊はえろいことしたい おわり
→ お風呂でクラクラへつづく
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