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……、ええっ!?ちょっと待って!?
俺湊と両想いワンチャンあるんじゃね!??
絶対にあり得ないと思っていた両想いという可能性を感じて、俺は居ても立っても居られずベッドの上に立ち上がり、ボヨンボヨンと勢い良く飛び跳ねた。
この時の俺は我ながら、頭ぶっ飛んでいたと思う。
唖然としながらそんな俺を見上げている湊の隣へサッと飛び降り、湊と目線を合わせるようにスタッとしゃがむ。
ここで告らねえのは男としてあり得ない。
親友のことを、ガチで好きだなんて、困らせるかもしれない。伝える気なんてなかったけど、ここで伝えないわけにはいかない。
「湊、聞け!俺の好きなやつお前なんだよ!」
「……はっ…?」
「誰とも間違えてねえよ、俺も湊にキスしたかったんだよ!」
あり得ない、とでも言いたげに唖然としたまま、固まっている湊に迫った。
「お前俺の親友だし、失いたくねえし、言う気無かったけどさ、ガチで好きなんだ!嫌だったらぶん殴って逃げてくれ!」
俺はそう言って、噛み付くように湊の唇にキスをした。
約5秒ほどのキスだったが、湊は一切動くことはなく、俺からのキスを受け入れている。
調子に乗って、角度を変えてもう一度。
「ン、…ぁ、」
息苦しそうな湊の声が漏れている。
けれど俺は興奮してしまい、湊を気遣ってあげられる余裕もなく、湊の背中に腕を回して、湊の口をこじ開けるように湊の口内に舌を忍ばせた。
「ハァ…っ、ンッ、…ぁッ」
やばい、やばい、やばい止まんねえっ…!
ベッドに湊の身体を押し付け、深く深く口付ける。
まるで今まで溜めてきた欲を吐き出すように、ここぞとばかりにキスをする。
「ハァッ、」と自分も息苦しくなってきたところで、俺はチュッとリップ音をさせながら湊の唇から口を離した。
ハァ、ハァ、と互いに聞こえる息遣いに、今更恥ずかしくなってくる。
苦しそうに呼吸をしている、真っ赤に染まった湊を見下ろす。
湊はうっすら開いた目で、俺をチラリと見つめてきた。
「…つばさ…、まじ、で…?」
息が切れ切れになりながらも、確認するように問いかけてきた湊に、俺はコクリと頷く。
すると湊は、俺が今まで見たことないくらい、嬉しそうに破顔した。
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