13 end [ 14/20 ]
今までずっと、親友だった相手とキス。
思い返すだけで照れ臭くなってきて、俺たちの間にはぎこちない空気が流れた。
「…え、てことはさ、湊も俺のこと好きってことで、…いい?」
「…ぉぅ。」
暫しの沈黙を破って問いかけた俺に、湊は小さな声で恥ずかしそうに頷く。
あまりの喜びに、口がニヤけるのを抑えられず、ニヤニヤとしながら湊を見ていると、湊はそんな俺の視線から逃げるようにベッドに上がり、布団を被った。
「今日はもう寝るっ…!」
「いやだからそこ、俺のベッドだから。」
今日もいつものように小言を言ってみるものの、湊は早くも俺のベッドで眠りの体勢に入っている。
仕方ない、今日も俺は床で寝るのか。とベッドの隣に布団を敷き、布団の上で寝転がる。
まだ全然眠気は無く、スマホをいじっていると、ベッドの上の湊がもそっと動く気配がした。
ベッドの上で湊がゴロンと寝返りを打ったかと思いきや、上から湊の身体が降ってくる。
ドスン!と俺の身体の上に湊が落ちてきて、ぎゅうっと俺の身体に抱きつかれ、胸元に顔面を押し付けられる。
「…湊?」
こいつ、起きててわざとやってるよな。
今まで何度も湊がベッドの上から落ちてきたことがあるけど、今のは絶対わざとだ。
「おい、湊?起きてるんだろ?」
呼びかければ、湊はチラリと顔を上げた。
そして、まるでイタズラが成功した子供みたいに、ペロリと舌を出した。
「気付くの遅すぎ。」
「へ…?」
いや…遅すぎって…、
そこで俺は、その言葉の意味を理解し、ハッとした。
今までずっと寝相が悪いからとばかり思っていたけど、ひょっとしてそれが、意図的なものだったとしたら…
「えぇぇっ!お前!俺のことめちゃくちゃ好きじゃね!?」
つまりはそういうことだろ!?って、興奮気味に口にした言葉に、湊はクールに一言。
「そういうこと。」って言って、俺にキスをしてきたのだった。
絶対に叶わないと思っていた親友との両想いに、こんな幸せがあっていいのかとその幸せな時間を噛み締めながら、その日俺たちは互いの体温を感じながら眠りについた。
親 友 と xxx おわり
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