8話




※ミホークが誰おまです!
※喋り方がわかってません!



真っ二つに"切られた"ガレオン船に持っていかれないように錨(いかり)をあげたバラティエ。俺は揺れるフロアの中、甲板へ出てガレオン船の彼方からこちらへ向かって来る男を見た。




「……ミホーク」



8年たってもかわりない鋭いあの眼光。いや、8年前よりさらに鋭くなったかもしれない。間違いない鷹の目のミホークだ。




「ありゃぁ」


そんな声が背後から聞こえた。
いつの間にか背後に集まっていたコック達が次々に鷹の目だと言う。





「ちくしょう!なんの恨みがあって俺達を狙うんだ!」



敵の一人がやけくそにそう漏らすもミホークからはただの「ひまつぶし」という答えしか帰ってこず、激昂した敵が銃弾を放った。



けれど、さすが剣士の頂点に立つ男は伊達じゃない、ミホークは銃弾の軌道を剣で反らせた。





「柔なき剣に強さなどない…………アクリ主もそう思わぬか?」



『!!!???』




「…………ミホーク、よく俺がここにいるってわかったね」



「うむ。あの男に主は帰ったと聞いてな、あの男が言っていた場所がこの海賊どもと同じ方向だった。顔を見ていこうと思っていたのだ…………そして出来れば久しぶりに手合わせといこうかとな」



「!!!!」



『!!!!??』




「ミホーク!?まっ!」




いきなり背後から夜を抜いたミホークに慌てる。


だってここにはサンジ兄やじーちゃん、それにコック達がいるのだ。ミホークの事だから巻き込んで傷付けるような事はないだろうけれど、慌てる物は慌ててしまう。




「今の主の腕前を見せてみよ」


「ちょっ」



ドウゥンン!と音を放ちながら斬撃を飛ばしてきたミホークに腰に下げていたサーベルで慌てて迎え撃つ。


それと同時に回りの風圧が上がり、砂煙を巻き上げ回りが見えずらくなってしまった。




「アクリ!!」

「アクリ!?」



風圧によって目を開けていられなくなったらしいサンジ兄達の声が聞こえる。



なに考えてるんだ!ミホークのやつっ!



そんな中、俺は向かってきた斬撃のある一部をサーベルで受け止め切り裂いた、するとズバン!という音と共に斬撃はきれいに消し去っていった。あの1年の中で唯一見つけたミホークに対抗できる技だ。


攻撃の弱点を見破る技。

『一点突破』




「ふぅ…………」



ミホークの斬撃をうまく消し去ることが出来たらしい、それと引き換えに頑張ってくれたサーベルはボキリと折れてしまっているけど。


俺は安堵の息を吐くと、キッとミホークを睨み付けた。



「ミホーク!何回言ったらわかるんだよっいきなり切りつけてくるなって会うたび言ってるよなっ?俺」


「そんなことは忘れた。それよりも主はまた腕をあげたようだな」



「話をそらすな!…………あれから8年だ、上がっていなかったら可笑しいだろ」




じとめでいう俺にミホークはにやりと笑った。



「では今から稽古を「しないっ」……」




今の状況がわかっていないのかっ、いやあえてわかっていながらも無視を決め込んでいるんだろう、ミホークとはそんな男だ。



「まったく…………」



そんなやり取りを口をあんぐりと開けて見守っていたコック達ははっと慌てて俺の肩をぐいと引き寄せた。



「アクリ!何で鷹の目とそんなに親しそうなんだ!!?」

「いつ会ったんだよ!お前っ」




「………あれ、言ってなかったっけ、ミホークとはシャンクスと航海に出ていた時に知り合ったんだけd「なにぃ!?お前っシャンクスを知ってるのか!?」……」



俺の言葉の一部を聞き取ったルフィが俺たちの間にいきなり顔を出した。



「うん、1年だけ船に乗せてもらって航海に出た事があるんだ」



「!!ずりぃっ俺はあんだけ頼んでも連れてってくれなかったのに!」




そう言って頬を膨らませたルフィはじとめで俺を見てきた。


いや、そんな目で見られてもな…………




「ああ、そういえばシャンクスから雑用君の話聞いたよ?とある村の面白い子供の話ってね。」


「シャンクスが?!」




じとめをとたんにキラキラさせた目に変えたルフィに苦笑がもれる。本当にシャンクスを慕ってるんだな…………



「俺がもしその子供にあったらよろしくって言ってたからな、次に会えるのを楽しみに待ってたよ」


「そうか!」

「うん」



キラキラと瞳を輝かせ懐かしさににんまりと笑顔を浮かべるルフィ。


そこから俺はミホークへと視線を向けた。




「ミホーク、悪いけど今のこんな状態じゃぁあんたの相手は無理だぞ?」



回りを見渡しながら言うとミホークもつまらなそうに息を吐いた。




「ふん、そのようだな……つまらぬ、久々に主と剣を交わらせてみたかったが…………」




名残惜しげに呟いたミホークの言葉にまたざわりと驚きの声が上がった。そして、俺はひとつ提案をした。




「なぁ、ミホーク」

「?」

「昔した俺の話覚えてる?」


「!!…………可能性をもつ男の話か」



覚えていたんだ、とうなずく俺。


可能性の男とは俺が昔ミホークに剣を習った時に話した未来の……もっと細かく言えばゾロの話だ。



昔、退屈しのぎの為、強いやつを求めていたミホークに話した話。


これから先数年後にミホークさえ越える可能性をもつ剣士が現れると




「その可能性の男が今ここにいるとしたら、どうする?」



「!!!…………それは本当か」




「うん、ほら、そこの緑のお兄さん」

「な、なんだ?」




急に指名されたからか少したじろいだゾロに俺は言った。




「なぁ、さっきも言ってた探してる男ってミホークの事だよな?…………戦いたいの?」




俺の言葉にハッとしたゾロはギラギラと目を輝かせながら戦いてぇ!と言ってのけた。それに、ミホークへ目を向けた俺。



「だって、どうする?ミホーク」




俺の問いかけにじっとゾロを見定めていたミホークはすらりと首にかかっていた小さい十字架の剣を抜いた。




「主が言う可能性を見定めよう」




こうしてゾロとミホークの戦いが始まった。








8話

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