17話
「おい、がきんちょ」
『ん?何?じーちゃん』
あれからしばらくたった後、掃除が一段落して次の仕事に移ろうかと思っていた俺にじーちゃんが声をかけてきた。
その後ろからはさっき土下座して働きたいと訴えていたパティとカルネも一緒についてきていて…………その顔にでかいガーゼが張ってあるのはここはあえて無視しよう、うん。
「おめえ、もう掃除は終わったのか?」
『うん。次は厨房のほうに手伝いにいこうかと思ってるけど……』
「なら、ちょうどいい。おめえこいつらに船内を案内してやれ。」
『…俺が?サンジ兄は?』
「サンジのやつは今教えた料理の下ごしらえをやってる。他のやつも今の所手がはなせねぇ。だからおめえが案内してやれ。」
『……わかった。俺でいいなら案内するよ。』
そう頷いた俺を見た後、じーちゃんは後ろを振り返り口を開いた。
「おいてめぇら、聞いてた通りだ。このがきんちょがてめぇらの案内をしてくれる。しっかり覚えやがれ」
「はい!!」
告げられた言葉にパティとカルネは元気よく返事をした。
すごい嬉しそうだな
パティとカルネの顔はキラキラと輝いていて、ここで働く他のコックたちと同じくらい嬉しそうだ。
じーちゃんを見つめる眼は一段と光輝いて見えて、それだけじーちゃんに憧れているのだとわかった。
「おい、小僧!俺はパティだ!よろしくなっ!」
「俺はカルネだ!よろしく頼むぜ!?」
元気よく挨拶してくる二人に俺もうなずき返事を返した。
『俺はアクリ、まだ子供だけど仲良くしてくれると嬉しい』
すっと右腕を差し出すと、パティとカルネの順にその手をとった。
「なんだか、おめえガキらしくねえガキだなぁ」
『………よく言われるよ』
そりゃぁ、もう20は過ぎてるからな。
俺は言われ慣れた言葉にいつもの返事を返した。
17話