Last*Lost
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5


次の日から、住み込みで古書店の手伝いをすることを条件に、ロゼッタさんが念の師匠として俺を鍛えてくれるようになった。

穏やかな雰囲気なのにたまに凍る様な鋭い目をするから怖い。
けど、修行内容鬼畜だし、無理だってつい口走ってしまうのって仕方ないと思うんだ……うぅ…

酷いことに、無理無理と叫ぶ度にノルマは倍増していく。だから言っても損するだけってのは分かるんだけど……

無茶言われると、なぁ。


ま、そのおかげで隣町往復100回や腕立て腹筋500もまぁまぁこなせるようにはなった。

この成長はハンター世界だからだとも思うけど。







そんな俺は今日のノルマを言い渡され、絶望感に打ちひしがれていた。




「ちょ、ロゼッタさん! 本の仕入先のトラックを古書ごと運べってどういうことですか!!」


持ち上げるとか無茶、引きずるのも無茶。どうしろと!!

でもロゼッタさんは俺の腰に紐をくくりつけて、
まるで逃げるなとでもいうようにその紐の先をトラックに結んだ。
トラックが引きずられる前に俺の腰が折れる気しかしなかった。


「大丈夫よ、修行し始めてもう一ヶ月。しっかりそれだけの力は蓄えているはずよ?」



じゃ、がんばってねと優しく微笑み、ロゼッタさんは去っていった。


いや、やってる事は全然優しくも何ともないのだが





  






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